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ちゃおドリームタッチ! ハッピーあにばーさりー 【ちゃおどりーむたっち はっぴーあにばーさりー】 ジャンル ふれあいアドベンチャー 対応機種 ニンテンドーDS 発売元 マーベラスインタラクティブ 発売日 2006年12月7日 価格 5,040円(税込) 判定 なし ポイント 歴代のちゃおマスコットが20キャラ登場非常にわかりやすいお使いゲークロスオーバー路線ではない 概要 ストーリー 出演ちゃおキャラクター一覧 ゲームのルール セーブデータ作成 ゲーム進行 操作系統 アイコンメニュー やり込みに関する詳細 評価点 問題点 総評 概要 かつて存在したマーベラスインタラクティブがリリースしたニンテンドーDSソフトであり、同社がマーベラスエンターテイメント(現 マーベラス)に合併される前の末期発売でもある。 大御所少女漫画雑誌『ちゃお』の生誕30周年記念として製作されたお祭りゲーとなっており、歴代のちゃおマスコットキャラクターが多数登場する。 大方は一人プレイ専用だが、一部のミニゲームに関してはDSワイヤレス通信による二人対戦プレイも可能。 ストーリー とあるウチューのホシに「ハカセ」と「デシ」が住んでいました。 ハカセは色んなホシの"おはな"を育てる仕事をしていましたが、"おはな"を探す為にウチューセンで飛行中の2人の前に流れ星が衝突してしまいます。 流れ星の衝突によりハカセの大切なたくさんの"たからもの"が近くにあったチキューというホシに散らばっていきました。 「"たからもの"がないと研究ができない」と困惑するハカセは、デシにチキューへ散らばった"たからもの"の回収を命令します。 こうしてたくさんのちゃおキャラクターが自由気ままに遊んでいるチキューを舞台に、デシの前途多難な"たからもの"回収作業の幕が開けました。 (以上、公式サイトのストーリーを若干改変、及び漢字を含めた表現で表記したストーリー) 出演ちゃおキャラクター一覧 チキュー内には9箇所のエリアに分かれており、そこに生息するちゃおキャラクターが歩き回っている。 本作に出演するちゃおキャラクターは以下の20キャラがいる。なお、全員がマスコット系のキャラであり、人間サイズのキャラは一切出演していない。 + 出演ちゃおキャラクター一覧 キャラクター 出現エリア 原作 ぷくぷく てんねんタウン ぷくぷく天然かいらんばん クロさん みけねーさん ミルモ まじかるタウン ミルモでポン! ムルモ リルム ヤシチ ちま ワクワクもり はぴはぴクローバー メル ガク ハル 天津 ラッキータウン Dr.リンにきいてみて! 七尾 シンシア 半額 やすうりモール ボクのプラチナレディー ニャン蔵 カラクリむら くのいち生徒会 こいき七変化!! うさっち はごろもクラス エンジェル・ハント テモテモ もてもてクラス 極上!! めちゃモテ委員長 プリン おかしなクラス 恋するプリン! キャンディ ゲームのルール セーブデータ作成 ゲームを始める前にセーブデータを作成する必要がある。 セーブデータは全部で3つあり、好きなものを選んだ後に「デシの名前入力」「右利きか左利きかの選択」の設定を行う。 利き腕選択に関しては、下記の操作説明の項を参照の事。 設定に関してはセーブデータを選ぶ際に設定のし直しが可能となる。 セーブデータを初めて使用したプレイではチュートリアルが始まり、ゲームの大まかなプレイルールを知る事ができる。 また、次回プレイ時にセーブデータを選ぶと、任意でのチュートリアルプレイが可能。 ゲーム進行 デシを操作して、たからものをすべてを回収するのが大きな目標となる。 たからもの回収までの大まかな流れは以下の手順となる。 ステップ1 エリアの移動 ゲーム開始時のデシはウチューセンで待機しており、ここから9箇所あるエリアから好きな場所に移動する。 移動後はそのエリアにワープするので、自由に移動探索を行い次のステップへ。 移動エリアに用がなければウチューセンに戻る事が可能。そこからまた好きなエリアを選んで「ウチューセン ⇔ エリア」の行き来を繰り返していく。 ステップ2 ショクブツの収集 各エリアの道ばたには「ショクブツ」という素材アイテムが無造作に放置されているので、それを拾っていく。 一度拾ったショクブツは一度ウチューセンに戻った後に再びエリアへワープすると復活しているので、事実上は無制限に拾う事が可能。 ショクブツには複数の種類があり、多く集めていると下記のアイテム交換で多くのアイテムが入手しやすくなる。 ステップ3 アイテムの入手 入手したショクブツはそれを消費して「アイテム」と交換できる。 アイテムには複数の種類があり、可能な限りのアイテムを持っておけば下記のプレゼントがスムーズに行いやすくなる。 交換できるアイテムによっては必要なショクブツの量には個人差がある。少ないショクブツで交換できるものから、結構なショクブツが必要になるものまで様々であり、もちろん後者ではより多くのショクブツを集めないと交換するのが難しくなる。 ステップ4 アイテムのプレゼント 各エリアにいる噴出し表示がされたキャラに会話すると「○○○が欲しい」という要望が聞ける。噴出し表示のないキャラは特に要望は持っていない状態である。 会話をヒントにその欲しいと思われし上記で入手したアイテムをプレゼントすれば、キャラが喜び親密度が深まっていく。当然ながらプレゼントしたアイテムは消滅する。 欲しくないアイテムを渡してしまうとプレゼントを拒否されてしまうが、アイテムは消滅せずに済み、これといった明確なペナルティは発生しない。 何度もエリアに行き来しているのに一行に噴出し表示がされないキャラがいる場合は、同じエリアにいる他のキャラのプレゼント渡しフラグが立っていない可能性がある(*1)。よって、噴出し表示を見つけ次第にかったぱしからプレゼントを渡しておいた方が順調に事が進められやすい。 ステップ5 たからものの入手 キャラ達は何度もアイテム要求をしてくるので、その都度に欲しいアイテムを渡してプレゼントしていくと、「○○○を拾ったからあげる」との理由でお礼としてたからものをくれる。 すなわち、ひたすらにキャラ達にプレゼントをし続ければ、おのずとたからものが順々に入手できるという仕掛けとなっている。 操作系統 以下の操作でデシを操作できる。 十字ボタンでデシの八方向移動。 本作はすべてトップビュー視線でゲームが進行するので、縦スクロールアクションと同じ感覚での移動ができる。 十字ボタン操作はセーブデータで右利きを設定した場合に適用される。左利きの設定の場合はABXYボタンで移動操作を行える。 タッチペンで画面内のオブジェや歩行中のキャラをタッチすると、何かの反応が起きる場合がある。 同じくメニューなどのアイコンをタッチすると、何かしらの効果が発生する。 アイコンメニュー 常に画面端に表示されているメニューアイコンにタッチすると、以下のメニューウインドウが開かれる。 ウチューセン待機時 「おでかけ」…9箇所のエリアを選び、そこに移動する。 「おともだちカード」…おともだちカードの鑑賞と、入手しているおともだちシールと友好度の状況が確認できる。 「みらくる」…エリア内で起こしたみらくるの一覧が確認できる。 「もちものをみる」…所持アイテム、及びたからものの一覧を確認できる。 「アイテムかう」…ショクブツを消費してアイテムに交換できる。売品アイテムはウチューセンやエリアによってランダム性のある品揃えとなており、必ず5種類しか売られていない。 「タイトルにもどる」…ゲームを終了しタイトル画面に戻る。 エリア探索中 「いえにかえる」…ウチューセンに戻る。 「おともだちカード」「もちものをみる」「アイテムかう」…上記と同じ効果。 エリア探索中にてデシをキャラやショクブツに接触させると、以下のアイコンが出現しタッチする事で効果が起きる。 「会話アイコン」…キャラに接した状態でこのアイコンをタッチすればキャラと会話できる。 「プレゼントアイコン」…キャラに接した状態でこのアイコンをタッチすればアイテム選択ウインドウに移項し、アイテムを選ぶとそれをキャラにプレゼントできる。 「虫眼鏡アイコン」…落ちているショクブツに接した状態でこのアイコンをタッチすればショクブツが拾える。 やり込みに関する詳細 本作をやり込む為の情報を以下に示す。 おともだち関係 「おともだちカード」 ゲーム序盤で20キャラ全員と会話すると、おともだちカードを1枚づつ貰える。 入手したおともだちカードはメニューウインドウの「おともだちカード」に登録される。 全部で20枚のおともだちカードが存在する。 「おともだちシール」 キャラにプレゼントを渡したり、ポケットイベント(下記)に付き合うたびに1枚貰える。 入手したおともだちシールはメニューウインドウの「おともだちカード」にてカードと一緒に表示される。 各キャラに8枚のおともだちシールが存在し、全20キャラ × 8枚の総計160枚のおともだちシールが用意されている。 「友好度」 デシと各キャラとの友好がどの位あるのかを示したハートマークの値。プレゼントを渡したりする事で増加していく。 友好度はメニューウインドウの「おともだちカード」にてカードと一緒に表示される。 各キャラにおけるハートマークの最大友好度は5となっている。 みらくる 「みらくる」 各エリアにある花やマンホールなどをタッチする事で「みらくる」と呼ばれるミラクルなリアクションが発生する場合がある。 みらくるによってはどこからかショクブツが出現する事もあり、ショクブツ入手のチャンスとなる。 発生したみらくるはメニューウインドウの「みらくる」に登録される。 全部で30種類のみらくるが存在する。 アイテム関係 「アイテム」 メニューウインドウの「アイテムかう」にてショクブツと引き換えに入手できる。また、たからものを入手する度にボーナスとして、ハカセから何かのアイテムが1つだけランダムでくれる場合もある。 アイテムは消耗品だがプレゼント以外での使用用途はなく、そこまで執拗に集めなくてもゲームが足止めする心配は少ない。 入手したアイテムはメニューウインドウの「アイテムみる」に登録される。 全部で100種類のアイテムが存在し、各アイテムは最大で9つまで所持できる。 「たからもの」 各キャラに何回かのプレゼントをすれば1つづつ貰える最重要アイテム。これをすべて集めるとエンディングとなる。 入手したアイテムはメニューウインドウの「アイテムみる」に登録される。 全部で20種類のたからものを集めるのが当初の目標なのだが実は…。 「ショクブツ」 エリア内で拾えるアイテムを入手する為に必要なもの。 「タネ」「はなびら」「こえだ」「はっぱ」「きゅうこん」「きのみ」の6種類があり、各ショクブツは最大で99つまで所持できる。 ショクブツの所持数を確認するには「アイテムかう」を利用する以外に方法はない。 ポケットゲーム 「ポケットゲーム」 各キャラにプレゼントを何個か渡して親密になった状態で話しかけると、「ポケットゲームで遊ぼう」との誘い(ポケットイベント)が発生する時がある。 イベント後は「ふうせんパズル」「タッチクッキング」「ロボットヒット」「クイックキャリー」の4種類のミニゲームのどれかをプレイする事になる。 プレイ結果に関わらず話しかけたキャラから、必ずおともだちシールが貰えるボーナスがある。なお、貰えるシールは各キャラにつき1回のみである。 プレイした事のあるポケットゲームはセーブデータにて単体でプレイ可能となる。その内の「ロボットヒット」と「クイックキャリー」はDSワイヤレス通信による対戦プレイができる。対戦プレイではDS本体が2台が必要となるが、本ソフトは1本だけでOKである。 デジの成長 「デシの成長」 何かしらのやり込みを達成すると、ご褒美としてデシの外観が変化するイベントが発生する。 単にデシの色が変化するだけで何かゲーム的な意味での見返りがある訳ではないが、やり込みプレイヤーには見過ごせない要素となるだろう。 評価点 キャラの会話のやり取りが楽しい。 デシとちゃおキャラクターとのゆるゆるほんわかとした会話が面白く、次の会話を聞きたくなってくる魅力がある。 最初はデシに対して「あんた誰?」的な反応で警戒してくるちゃおキャラクターだが、プレゼントを渡す度に警戒が解けて仲良くなってくる様が素敵である。 ゲーム後半になってくると多くのちゃおキャラクターが「プレゼント持ってるんでしょ?」と当たり前の如く要求してくるのがなかなか現金であり、プレゼント後に「あんたいい人だな」と褒めてくれるのがツンデレ可愛い次第である。 非常に可愛らしいキャラのアニメーション。 このゲームはすべてドット書きによるグラフィックであり、独特の味わい深い外見となっている。 登場するキャラ全員の表情は豊かで見ているだけでもほんわかしてくる可愛らしさを持っており、コミカルさを強調したドット書きのレベルは非常に高い。 ちゃおキャラクターのデザイン再現度も高く、原作ファンならば納得のできるものとなっているのではないだろうか。 わかりやすいゲーム性。 上記のステップ通りの手順を踏んでいけば確実にエンディングに近づく、わかりやすさ重視の内容となっておりお子様プレイヤーにも安定したプレイが望めると思われる。 エリア内の地形はシンプル一徹な構造となっているおかげで、迷う事なくキャラ達のやり取りができる。 「キャラがどういうプレゼントを欲しがっているのか」というヒントがさりげなく会話内で示されるので、直感的に何のアイテムを渡せばいいのかが理解しやすくなっているのも優しいところ。 但し、下記の問題点で述べた罠会話もあるので、完全に優しいとはいい難い面もあるが…。 快適なプレイ環境。 メイン操作は十字ボタン(左利きプレイヤーはボタン)とタッチペンのみと、使わせる操作が少なくて複雑さとは無縁である。 親切なチュートリアルも完備されているので、すぐにゲームルールを理解できるのも優しい配慮である。 アイコンなどが大きめに表示されている影響で、タッチの誤爆といった心配が少なく、仮にミス操作をしても後戻りできるアイコンも用意されているので大したストレスにはならない。 問題点 かなり直球なお使いゲーである。 このゲームにおけるプレイは「アイテムを入手してキャラに渡す」事に八割以上の行動が要される、超が付く程にお使い要素の強いゲームとなっている。 よって、お使いゲーに苦痛を感じるプレイヤーにとっては、本作のゲーム性は大分つまらなく感じる恐れが高いだろう。 お使いの先に待っているキャラのリアクションに楽しみを見出せないと、残念ながら本作に面白みを感じるのは相当きついのは必至である。 行動範囲が非常に狭い。 全部で9つのエリアが用意されてはいるが、どのエリアも数画面分の行動範囲がなく、即効ですべてのエリアを探索し尽せてしまう位に狭い。 何かの条件を満たせば行動範囲が広がるなんてギミックは用意されていないので、狭い行動範囲をひたすらに歩きまわされるハメになるのは絶対に避けられない。 この辺が上記のお使い感に拍車をかけ、ゲームとしての地味さが大幅に増強されている有様となっている。 あってない様なポケットゲーム。 用意されているいポケットゲーム(ミニゲーム)はたったの4種類しかなく、ミニゲーム目的で本作を購入するのは無謀以外の何物でもない。 そのポケットゲームに関しても格別面白いのかといわれるとそんな事はなく、「軽くプレイすればもういいや」的な薄いものばっかりである。 これを購入する位ならば他のDSのミニゲーム集ソフトを手に入れた方が確実に楽しめるであろう。 謎のウエイト現象。 キャラと会話するとメッセージを飛ばす度に、何故か1~2秒間程度のウエイトが頻繁にかかる。 これのせいで会話中のテンポ感がややもっさりとなってしまっている。会話自体は過剰に引き伸ばされない軽快な語りなのが救いだが…。 演出というには不自然な間であり、かといってロード時間というには特に読み込んでいる気配がなく、何のウエイトなのかがよくわからない。 一部のプレゼントに関する会話ヒントがわかりにくい。 「相手に嫌がらせしたいので"口の中にいれるとびっくりするもの"が欲しい」というキャラの会話ヒントを一例にする。 常識的に考えて、口中にいれるとびっくりするものとして「辛いもの」「酸っぱいもの」「石鹸などの口中に容易に入れられるもの」などのアイテムを想像する方も多いだろうが、それらは全部不正解である。 実はこれの答えは「サボテン」である。理由は「口中に入れればトゲが刺さって痛いから」らしいが、そんな大惨事になりかねないブツを想像するプレイヤーは常識的にはいないだろう。 サボテンのアイテム説明にも「触ると痛い観賞用植物」としか表記されておらず、特にヒントになる様な表記が全くされていないのもわかりにい要因となっている。 ハカセとデシのデザインセンス。 本作のおける唯一のオリジナルキャラクターの2人だが、レビューサイトでは「なんかデザインセンスが悪い」と悪評が聞かれる。 実際、ハカセとデシは遠い星の宇宙人という設定のキャラであり、地球出身のちゃおキャラクターの面々に比べると明らかにデザインが浮いている節はある。 その辺は「デザインが浮いてて気持ち悪い」ととるか、「キモカワイイデザインで愛着が沸く」ととるかの賛否が分かれるかもしれない。 電波ボイス付きの会話。 キャラ同士が会話すると文章表示と一緒に「言葉で表現するのは困難な独特の電波ボイス」が流される。 ボイスといっても会話を読み上げるものではなく、効果音の一種に近い短いものである。これは直接プレイすれば分かるとしかいい様がない。 これに関しても「会話表示がされる度に電波ボイスが入って煩わしい」という意見も聞かれるが、慣れてくるとそこまで酷いものでもないと思われる。 クロスオーバー路線のお祭りゲーではない。 各作品のキャラ達は地球内の別々のエリアに生活しているという設定であり、ゲームがどう進もうが他作品のキャラが交わる様な展開にはならない。 そもそも本作は「デシが様々なエリアに行き来する」という視線で話が描かれている為、ちゃおキャラクター全員と交わるのはデシしかいない。 総評 清々しいほどのお使いゲーであり、限られた場所を行き来しながらお使いする行為が嫌な方には間違いなくお勧めはできない。 『ちゃお』のキャラゲーとしてみれば、キャラが非常に可愛らしく描かれ、ほんわかとゆるい会話のやり取りが堪能できる出来であり、その評判は決して悪くない模様。
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プロ野球ファミリースタジアム 87年度版 【ぷろやきゅうふぁみりーすたじあむ はちじゅうななねんどばん】 ジャンル SPG 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 256kb+256kbROMカートリッジ 発売・開発元 ナムコ 発売日 1987年12月22日 定価 3,900円 プレイ人数 1~2人 判定 なし ポイント 前作から一転して投高打低のバランスシール貼っただけの手抜きパッケージ ファミスタシリーズリンク 概要 ゲーム内容 評価点 問題点 総評 余談 概要 1986年12月に発売された大人気野球ゲーム『プロ野球ファミリースタジアム』(以下『前作』と表記)のデータリニューアル版。基本システムはそのままに、「ホーナー旋風」を巻き起こしたB.ホーナー、三振かホームランの大砲R.ランス、トレンディエースと呼ばれた西崎とそのライバル阿波野、世紀の大トレードで移籍した中日落合など選手データを1987年度のものに更新、チーム数も2チーム増え12チームとなった。この他ユニフォームのパレット変更、選手データの表記方法、球場の外観など細部のグラフィックが変更されている。 ※データを変更したマイナーチェンジ版であるため、各項目の詳細は『プロ野球ファミリースタジアム』を参照。各項に於ける記述は相違点に留める。 + 画像 主な変更箇所・共に左前作/右本作 ゲーム内容 「バース・落合クラスだと当たればホームラン」(*1)と評されたように打球が飛びすぎた前作の内容を考慮され、本作では飛距離が抑えられ投高打低となった。 球団は前作10球団に加え、阪急をモデルとしたBチーム(ブラボーズ)が連合チーム「レイルウェイズ」より独立し単独チーム化、さらに当時のMLB一流選手が揃ったMチーム(メジャーリーガーズ)の2球団が新たに参入し12球団となった。なおデモ画面にのみOチーム(オリエンツ)が登場するが、どのような手法を使ってもプレイヤーが操作することは出来ない。 前作では王・安田2名のOB選手が登場していたが、本作では全選手が日本プロ野球1987年ペナントレース終了時の現役選手で構成され、OB選手は1人もいなくなった。 試合終了時の新聞でナムコスターズも他のチーム同様「Nチーム」と公平な表記をされるようになった。 ナムコスターズ絡みでは超俊足で名高い「ぴの」が1番打者になり、その超俊足を体感できる機会が増えた。また前作での1番打者「まつぴ」が代打と逆の形になっている。 + 画像 MチームとBチーム 評価点 投手有利となり、よりテクニックが重視され、上級者同士の対戦では僅かなミスが命取りとなる。 チートレベルのMチーム。スタミナの鬼剛球王N.ライアン(らいあん)、130キロのフォーク(実際はSFF)を投ずるM.スコット(すこつと)、3割61本M.マグワイア(まくが)、控えに甘んじる3割8分40本のD.マッティングリー(まつちん)など他の11球団とは明らかに一線を画す顔ぶれは、「暴力的な強さ」とまで評された。(*2)しかしその実情は打てなくなった本作の不満点を解消するために設定された「ナムコの気遣い」であった。 問題点 打てなくなった選手達。打球の飛距離が抑えられたため、地味な試合展開となりがちでゲームの爽快感が薄れてしまった。 対COM戦では改善されていないお粗末な守備から貰ったチャンスで得点を重ねる釈然としない展開。対人戦に於ける1点を争う「緻密な野球」も裏を返せば、「チマチマとヒットで繋ぐ野球」である。 バッターボックスの前方(ゲーム画面では上部)に移動できなくなった。前作では打席前方に打者を移動させ、変化球の曲がり初めを叩くという相手投手の攻略が可能であったが、本作では前方への移動が不可能となり、先の「飛ばない仕様」と合わせ、打者不利というゲーム内容に拍車をかけている。 + 画像 左・前作の移動限界/右・本作の移動限界 なぜか右投げのBチーム「ふるみそ」。モデルとなった阪急・古溝克之は左投げである。データ間違いを犯してまで彼を入れるなら、この年規定投球回に達し7勝3セーブを挙げた佐藤義則を入れたほうがよかったのではという声も聞かれた。(*3) 妙な色使いのSチームユニフォーム。Dチームのモデル球団である中日のユニフォームが1987年より変更されたことを受け、前作のSチームのユニフォームカラー「青+グレー」がそのままDチームに転用された。そのためSチームのユニフォームも変更されたが、モデル球団であるヤクルトのユニフォームから大きく乖離した「深緑+紫」という奇妙なものに変更されている。 このカラーリングについては、当時のヤクルトのユニフォームに使用されていた赤と青を混ぜて紫とし、それに加えて親会社カラーかつ当時の球団旗に使われていた緑も使用した、と解釈することも出来なくはないが…。 次作『 88』以降はビジターユニフォームをモチーフとした「青+水色」に変更され、結果的に初代のDチームとそのまま入れ替わった形となった。ただし、緑はその後も球団選択画面のアイコンに使用されている。 本作では西武をモデルとしたLチームのカラーリングが当時のビジターユニフォームと同様の真っ青に変更されており、「青+水色」では色系統が重複するため使用できなかった可能性もある。 余談だが、近年では実際のヤクルトもユニフォームに緑を使用することが多くなっている(*4)。 + 画像 左・本作Sチーム/中・前作Sチーム/右・本作Dチーム 総評 打高投低で本塁打を連発でき、よく言えば「派手で豪快な試合内容」、悪く言えば「大味なゲーム展開」だった前作を反省し、打球の伸びを抑えた本作であったが、ユーザーやゲームライターからは「ホームランが出にくくてつまらない」(*5)「地味な試合になりがち」(*6)「弱くなった阪神をこれ以上いじめてどうする」(*7)(*8)など概ね不評であった。 この評価を受け『 88』からは再び打者有利の内容に戻ることになる。 余談 本作の箱・カートリッジ・説明書はそれぞれ前作のハードケースとカセットラベルをそのまま使用し(*9)、タイトル部分の横に「87年度版」と書かれたシールを貼っただけで、取扱説明書にいたってはゲーム画像と文章を数箇所変えただけという手抜き仕様である。その大胆な手の抜きようをゲーム雑誌が好意的に受け取る筈もなく「手抜きのパッケージとカセット」(*10)「馬鹿野郎、シール貼っただけ」(*11)と嘲笑やネタの対象物となってしまった。参考画像(Googleイメ検) 前作の3球団連合だったレイルウェイズは南海ホークスが16人中たった3人と明らかに冷遇されていたが、阪急ブレーブスが単独チーム化のブラボーズとして抜けたことで本作では16人中7人もが名を連ねている。 投打のバランスは上記の通り次回作で元に戻るのだが、後の1990年にゲームボーイでシリーズ初作品の『ファミスタ』を出した時には本作以上に投高打低なバランスでの登場となった。 この時はゲームボーイ初作品ということもあってハード自身に対して慣れなかったことが考えられる(ゲームボーイでの2作目『ファミスタ2』ではそれなりに是正されている)。 ゲーム中、最多の本塁打を誇る「まくが」のモデル「マーク・マグワイア」のスペルは「McGwire」なのでスタッフが「マクガイアー」と誤読したと思われる。同姓のミッキー・マクガイア選手が1973~74年に広島に在籍しており、そのため当時の日本球界ではMcGwireはマクガイアと読むのが一般的となっていた事もあるだろう。 そのため、当時マグワイアを知っている数少ない者でも、「まくが」のモデルがそれと気づかない人が少なくなかった。 また本塁打61本はロジャー・マリスの記録で(1961年)それまでベーブルースの持っていた60本の記録を塗り替えた伝説的なものだったので「まくが」=「マリス」と誤解した人もいたことだろう(「ま」しか合っていないが)。実際マグワイアは1987年シーズンの本塁打は49本、デビュー年である前年の3本を足した累計でも52本で61本には遠く及ばないことから61本と結びつくものがない。 後の1998年にマグワイアはそれまでのマリスが持っていた記録を塗り替える62号を放ち、当時は野茂や伊良部など少ないながら日本人メジャーリーガーもいたことから日本でも大々的にニュースで新聞で取り上げられ(*12)、同時に本作にマグワイアその人がいたこともちょっとした話題となった。 ナムコスターズの代打に入っている「かにかに」は、現在からすればナムコがアーケードで導入した「カニカニパニック」と思いそうだが、当該のゲーム筐体がアーケードで稼働を開始したのは4年後の1991年のことであり、本作発売当時はまだ存在していない。それどころか「カニカニパニック」の母体である「ワニワニパニック」にしても1988年2月の稼働開始で当時は存在していない。 本作の上記選手は『さんまの名探偵』に登場するグラフィックウィンドウから特定場所を指定して調べたり取ったりする対象を選ぶ「カニカーソル」(カーソルがカニの形)がルーツとなっている(このカーソルを使う時、さんまが「かにかにどこかに?」と言う)。つまり主人公の「さんま」共々同ゲームからの登場となる。 後の『スーパーファミスタ2』(SFC・1993年3月12日発売)等で登場する「カニカニ」は、そのまま「カニカニパニック」に由来している。
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ワイルドアームズ クロスファイア 【わいるどあーむず くろすふぁいあ】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント 開発元 メディア・ビジョン・エンタテインメント 発売日 2007年8月9日 定価 4,980円 レーティング CERO A(全年齢対象) 廉価版 PSP the Best 2009年11月26日/2,666円 配信 【PSP】2009年11月26日/2,096円 判定 良作 ワイルドアームズシリーズ SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要 特徴・評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 『ワイルドアームズ』シリーズ7作目。 シリーズ初の携帯機での発売となり、ジャンルもRPGからシミュレーションRPGに変更されている。 また、タイトルに初めて数字を表す語句が含まれていない。 特徴・評価点 各キャラクターには「クラス」が設定されており、変更することでパラメータやパーソナルスキル(以下PS)、オリジナル(技)が変化する。 主要キャラクター6人それぞれの「専用クラス」と、汎用キャラクター用の「汎用クラス」があり、主要キャラは両方に、汎用キャラは汎用クラスにのみクラスチェンジできる。 近接格闘や属性攻撃に特化、回復特化、サポート特化や、果てはアイテム探索に特化したクラスもあり楽しめる。 PSは始めはそのクラスについている時しか効果を発揮しないが、戦闘勝利時に手に入る「パーソナルスキルポイント」をためることによってクラスチェンジ先で使用可能となるなど、『FF』シリーズのジョブシステムにとても似ている。 レベルによってつけられるPSも増え、また全てのPSを習得するとクラス専用スキルである「SPスキル」を習得できる。 各クラスの性能はかなり尖っており、特定のクラスでないと出来ないことも多い。このゲームの面白い部分でもあるが、後述の問題点にも繋がっている。 戦闘に関して 戦闘前には戦闘の解説「DER / ダイレクト・イベント・レポート」が入り、これによりどのクラスにするか、どんなスキルを付ければいいかなどの戦略を考えることができる。失敗してしまってもプレイヤーターンなら何時でもデータのロードや戦闘前にまで戻ることができるようになっている。 ただ敵を倒すだけではなく、「敵に見つからないよう移動する」「スイッチを押しながら進む」「敵のMPを0にする」などのパズル要素もある。 フェイズ制ではなく、RES(素早さ)に従い、TO,FFTのようにユニットごとにターンが回ってくる。 地形効果や高さの概念、敵キャラを味方キャラで囲うと効果が出るなど位置取りの戦略性も重要である。 戦闘による疲れを示すVP(体力)のパラメータがあり、VPがなくなるとHPが減っていくので、装備の重さ(VPの減少に影響)を考慮したり、効率のよい攻略を求められる。また、これを逆手にとってわざと長期戦を挑むという手もある。 熱いストーリー展開。 母の仇を追う主人公が王国の内乱に巻き込まれていき、主人公は苦しむ人々のために大嫌いな「嘘」をつくことを決意する。 主人公と仲間の王女との友情やパーティキャラクターとの絆、ラスボス撃破後の展開など見所は多く、シリーズ独特のセリフ回しも健在。 いくつか回収されていない伏線があるがストーリーへの影響は特になく、街の人のセリフなどから推測はできるようになっている。 特にエンディングは非常に評価が高い。泣いたという声も。 BGMも好評。特定の場面で流れる「描いた未来を画架に掛ける」「PRINCESS ARMY」や、一部ボスの専用戦闘曲である「傾城佳刀」「幸せを侵し、未来を略奪」「黄昏の奸雄」など名曲・良曲は非常に多い。 パーティキャラクターだけではなく敵キャラクターにも見せ場が多く、キャラクターの評価は高い。 シリーズ恒例キャラ「トニー」は今回は犬として登場。 また、シリーズ恒例ボス「ラギュ・オ・ラギュラ」は、ほぼ全パラがMAXに限りなく近い化け物レベルの強さであり、あるスキルがないと近づくことさえできずに全滅させられ、近づいたとしてもワンチャンスで殺しきらないと逆にこっちが全滅させられる可能性が高い。その分、頭を使って勝った時の喜びも大きい。 賛否両論点 MAP攻略中はセーブができない。 ただし攻略中のセーブはSRPGでは賛否分かれる要素なので、どちらが正解かは難しいだろう。 中断自体はPSPのスリープ機能で代用できるが、携帯機故に電池切れに悩まされる時もあるので、再利用不可能な中断機能は欲しかったところ。 問題点 パーソナルスキルが揃ってくる中盤以降の難易度が低い。 CPUの思考パターンに多少難がある。 一例として、ダメージを受けたり射程圏内に入らないと全く行動してこないものもいれば、わざわざ無敵状態の相手に攻撃を仕掛けたりするものもいる。 自分にRESがランダムで蓄積されるPS「アクセラレイト」が強力すぎる。 ターンごとに発動するため、毎ターン行動可能な数値まで蓄積されてそのキャラに3回連続でターンが回ってきたり、他のキャラと自分のターンを入れ替えるオリジナル「ターンシフト」を使ったらそのキャラより先に自分のターンが回ってくるなどということはザラ。 ロードがやや長い。 DER前のロードなどが長くテンポが少し悪い。バトル中にキャラが喋るときなども細かいロードが入ることがある。データインストールがあまり普及してなかった時代だったため、致し方ないか。 ダウンロード版が発売されているので、ロードが気になりそうな人はこちらをおすすめ。快適にプレイできる。 一部MAPの仕様 複数の移動力の高い敵ユニットを相手に防衛ラインを守るMAP1-14、こちらのユニットよりも遥かに能力が高く強力なクラスのユニットが多数登場し、増援の発生条件が嫌らしいMAP2-1は誰もが認める高難度。 また、攻略法がDERにのっとってやるしかないMAPや勝利条件が特殊なMAPも多く、やらされている感を強く感じる人も。 特定のクラスでないと対応出来ないギミックが登場するステージが多く、クラスチェンジを強要されがちなのも窮屈に感じられ易い。 シナリオの難点 物語最終盤~エンディングが尻切れトンボ気味。 総評 ジャンルの変更などが物議をかもし、発売日がPSP-2000の発売1ヶ月前というタイミングの悪さもあり、売れ行きはあまり芳しくなかった作品。 しかし、ワイルドアームズシリーズに連なる一作として購入者からは概ね好評を得ており、このシステムを継承した続編を希望する声も存在する。 余談 ヴァイスハイト役を演じている比嘉久美子の名前が、取扱説明書にて「比喜久美子」と誤表記されてしまっている。 『WA5』との連動機能があり、USBでPS2とPSPを繋ぐことで双方にいくつかの特典を得ることができる。 『WA5』はアーカイブスでも配信されたが、アーカイブスでは連動は不可能になっている。 ゲームで描かれていない部分を描いた漫画版が発売されている。 その後の展開 後にシリーズの生みの親とも言える金子彰史氏がメディアビジョンを退社したため、10年以上もシリーズ展開が途絶えるという状況となっていた。 さらにその後、シリーズの新作がソーシャルゲームとしてリリースされるとの発表があり、スマートフォン向けアプリとして『ワイルドアームズ ミリオンメモリーズ』が2018年9月よりサービスを開始した(*1)。 本Wikiの執筆対象外であるため詳しい説明は省くが、音楽など一部の要素を除いては厳しい評価が多く、約1年でサービス終了が告知され、その後の2020年2月27日16 00をもってサービス終了となった。 前述の通り『WA』シリーズの新作は途絶えているが、金子彰史氏がシリーズ構成・脚本を務めるTVアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズは、『WA』シリーズと共通する要素が多く、一部のファンからは『WA』シリーズのナンバリングタイトルになぞらえて「ワイルドアームズ 6th シンフォギア」などとも呼ばれている。 このアニメの企画を手掛けた上松範康氏は、WA5やWAXFに楽曲提供として携わっていたという繋がりがある。 その後の2022年8月30日より、クラウドファンディングサイト「キックスターター」上にて新作RPG『ARMED FANTASIA』の企画が始動した。 これは『PENNY BLOOD』とのダブルキックスターターであったが、1ヶ月で約3.8億円を集め、全ストレッチゴールを達成して企画は成立。開発が正式に開始された。 あくまで『ワイルドアームズ』シリーズの新作ではないと明言はされているものの、ゲームデザイン&シナリオに上記の金子氏が、音楽にはなるけみちこ氏や上松氏にElements Gardenなどとシリーズと関わりの深いメンバーが集い、ゲーム内容にも「渡り鳥」や「ARM」といったおなじみの要素が散りばめられている。
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魔界村シリーズリンク 機種 タイトル 概要 判定 本編 AC 魔界村 コミカルなグラフィックと裏腹に手応え抜群のシビアなアクション性が大ヒット。 良 FC 魔界村 移植版は高難易度のシリーズ中でもトップクラスの理不尽な難しさに…。 劣化 GBA ファミコンミニ 魔界村 ファミコンミニシリーズ第2弾に、FC版を収録。 AC/MD/PCE/X68k 大魔界村 『魔界村』再び。ナイトアーサー2度目の受難。グラフィック、BGM、ゲーム性の面で大幅な進化を遂げパワーアップした。 良 SFC 超魔界村 家庭用向けにボリュームアップした新たな『魔界村』へようこそ。死にゲーぶりも健在で、ライトゲーマーにはまだまだ厳しい難度。 良 GBA 超魔界村R 『超魔界村』の移植。 WS 魔界村 for WonderSwan 初期3作品の要素を取り込んだ、ワンダースワン向け完全新作。 PSP 極魔界村 『魔界村』が15年の時を経て復活。 なし PSP 極魔界村 改 『極魔界村』のマイナーチェンジ版。不評だった点が概ね改善された。 良 Switch/PS4/One/Win 帰ってきた 魔界村 DL専売。『魔界村』『大魔界村』をモチーフにしたリブート作。シリーズ初の2人協力プレイ等の様々な新要素が実装されている。 外伝 GB レッドアリーマー 魔界村外伝 カプコン初のGBソフト。レッドアリーマーを主人公にしたアクションRPG。 なし FC レッドアリーマーII 上記の続編。前作のゲームシステムの大半を引き継いでいる。 良 GB 魔界村外伝 THE DEMON DARKNESS 『レッドアリーマーII』に追加要素を加えたリメイク。 SFC デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編 レッドアリーマーシリーズの最終作。SFC進出に伴ってより強化された「ダーク」さが魅力。アクションゲーム屈指の強敵「人界に潜む闇の魔物」の登場作品でもある。 良 派生作品 SS/PS アーサーとアスタロトの謎魔界村 海外産パズルゲーム『Sid Al s Incredible Toons』のキャラを差し替えたもの。 PS2 マキシモ 3D版『魔界村』と言えるアクションゲーム。キャラクターデザインは松下進。 魔界英雄記マキシモ マシンモンスターの野望 オムニバス PS/SS カプコンジェネレーション第2集 ~魔界と騎士~ 『魔界村』『大魔界村』『超魔界村』を収録。 PS2/PSP カプコン クラシックス コレクション Switch/PS4/One/Win カプコンアーケードスタジアム 『魔界村』『大魔界村』を購入可能。 良 関連作品 機種 タイトル 概要 判定 CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ AC アドベンチャークイズ カプコンワールド レッドアリーマーが1面ボスとして登場。 PCE アドベンチャークイズ カプコンワールド ハテナの大冒険 『アドベンチャークイズ カプコンワールド』を収録。諸事情で4面ボスがアスタロト(『大魔王』名義)に、ラスボスがルシファーに差し替えられている。 GB カプコンクイズ ハテナ?の大冒険 『魔界村』をモチーフとしたマップが存在しており、シールダーとレッドアリーマーがボスで登場。 AC/DC/PS MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES アーサーがスペシャルパートナーとして登場。 AC/DC ガンスパイク アーサーをモチーフとしたキャラ「キング・アーサー」が登場。 AC/NG/PS2/Xb SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS レッドアリーマーがシークレットボスとして登場。 なし PS2 NAMCOxCAPCOM アーサーが参戦。敵としてネビロス、アスタロト、レッドアリーマーも登場。 良 PS3/360 MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds アーサーが参戦。 なし PS3/360/PSV ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 レッドアリーマーも参戦。 3DS PROJECT X ZONE アーサーがソロユニットとして参戦。敵としてアスタロト、シールダー、レッドアリーマーも登場。 なし PS4/One/Win MARVEL VS. CAPCOM INFINITE アーサーとレッドアリーマーが参戦。 その他 AC ブラックドラゴン レッドアリーマーが敵として登場。 なし FC/MSX2 魔界島 七つの島大冒険 『ひげ丸』のアレンジ移植。『魔界村』と世界観を共有。アーサーがサブキャラとしてゲスト出演。「ヘビ島」の敵にゾンビ、ブルーキラー、同ボスに一角獣、ラスボスはレッドアリーマー。 不安定 SFC ロックマン7 宿命の対決! ステージ選択時に特定のコマンドを入力するとシェードマンステージのBGMが『魔界村』のテーマになる。 良 Switch ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online DL専売。FC版『魔界村』を収録。6面から始まる『大魔王まであと少しバージョン』も同時収録。 良 スーパーファミコン Nintendo Switch Online DL専売。『超魔界村』『デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編』を収録。 良 セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online DL専売。『大魔界村』を収録。 良 ゲームボーイ Nintendo Switch Online DL専売。『レッドアリーマー 魔界村外伝』を収録。 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 有料DLCでMiiコスチュームとしてアーサーのかぶと+よろいを配信。スピリッツも登場。 良 モンスターハンターシリーズ 『XX』『ライズ』にてコラボクエストを配信。
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「検証依頼」が出ています。依頼内容は「通信対戦の仕様について」です。対応できる方はご協力をお願いします。 格闘料理伝説ビストロレシピ 激闘★フードンバトル編/決闘★ビストガルム大陸編 【かくとうりょうりでんせつびすとろれしぴ げきとうふーどんばとるへん/けっとうびすとがるむたいりくへん】 ジャンル ロールプレイング 対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通) 発売元 バンプレスト 開発元 レッドカンパニー 発売日 フードンバトル編:1999年10月8日ビストガルム編:1999年12月10日 定価 各3,980円 判定 クソゲー ポイント 2つを合わせても薄いボリューム集めたモンスターの存在意義がない眠り攻撃を先に当てるかどうかだけで決まる勝負 ストーリー 概要 特徴 問題点 評価点 総評 余談 ストーリー 料理から生まれるモンスター「フードン」の存在する世界。世界は「ドン・クック」率いるフードンを悪用する悪の軍団「ビショッカー」に悩まされていた。 主人公「まくのうち ゼン」の父で、優秀な料理人であった「ツキジ」はビショッカーに目を付けられ、さらわれてしまう。 父をビショッカーの手から救い出すべく、かけだしの料理人「ゼン」は妹「カリン」や仲間たちと共に、フードンを駆使してビショッカーに挑んでゆく。 概要 当時隆盛を誇ったポケモンフォロワーのRPGの一つ。二つのバージョンが発売されたが、二本のソフトで前編・後編のストーリーが分けられており、後編に当たるビストガルム編はフードンバトル編より二カ月後の発売である。 漫画・アニメなどのメディアミックスも行われている。 特徴 フードン 料理に「レシピカード」と呼ばれるカードを貼って命名することで、「フードン」と呼ばれるモンスターを生み出すことができる。 敵を倒した後に手に入れたレシピと食材を基に、食材を集めて料理をする。ミニゲームをし、その結果によってフードンの初期レベルが変わる。 規定の点数に足りなかった場合、料理は失敗し、料理名「だいしっぱい」のフードン「マックロン」という実用性のないモンスターが生まれてしまう。 レシピに必要な食材以外を使ってオリジナル料理に挑戦することもできる。特定の組み合わせだと、通常の料理で生まれるのと違うフードンが生まれる。 「ハンバーグ」+「パン」=「ハンバーガー」、「オムレツ」+「こめ」=「オムライス」のような納得できるものが多いが、「ななくさがゆ」+「チーズ」=「リゾット」や、「ホットケーキ」+「りんご」=「アップルパイ」のような少々疑問なものもある。 明らかに間違っていると思われるものもある。例えば、グリーンカレーは「インドカレー」+「ほうれんそう」で生み出せるが、グリーンカレーが緑色なのは緑色のスパイスやハーブを使っているからで、ほうれんそうで色付けしているわけではない。なお、このゲームに登場するレシピで「ほうれんそう」を使用するのはグリーンカレーのみで、このレシピのためにアイテムを1つ作っているにもかかわらずそのレシピが間違っている。 トッピング 通常のRPGにおける、いわゆるアイテム使用にあたる。戦闘中にフードンに食材を投げて「トッピング」する。外れることもある。 基本的には「チャーハン」なら「こめ」「たまご」など、フードンに使われている食材を与えれば回復し、その他の相性の良い食材を与えると能力アップなどが起こる。 トッピングは相手に投げつけることもでき、明らかに合わない調味料は状態異常を与えることができる。例えば、「さとう」は相手を眠らせる、「わさび」は相手をしびれさせる効果がある。 しかし、上記の料理の相性を考えないと逆に相手の能力を上げることになりかねない。前述の「さとう」ならおかし系、「わさび」ならおすし系の敵は逆に能力をアップさせてしまう。 相手が何の料理のモンスターなのかを考えながら、料理に合う食材、合わない食材を考えながら戦う必要があり、この作品の独自の面白みの一つと言えるだろう。 状態異常はどの料理でも基本的に「ハーブ」をトッピングすれば回復できるが、「ハーブ」を使った料理は上記の「料理に使われた食材を使うと回復」が優先されてしまい、戦闘中の状態回復ができない。 前編ではトッピングの効果を戦闘中に試すしかなかったが、後編ではアイテムを消費せず実験できるモードが追加された。 体力回復したい場合でも、トッピングが外れる場合があるので運次第である。 問題点 あまりにも内容が薄い 前後編に分けられて販売されたにもかかわらず、両方合わせても他のGBで販売されたRPGより内容が薄い。特に前編は、あからさまに続編前提の終わり方をしている。 フィールドを歩き回るようなことはなく、すごろくのようなマップを1マスずつ進んでそのマスの敵を倒し、次のマスに進むという形で、謎解きや探索のような通常のRPGにある要素はない。 クリア後のイベントはなく、ラスボスを倒した後は同じモンスターを出す雑魚敵を延々と倒すくらいしかすることがない。 ラスボスとの再戦すらできない。 全体的にキャラの掘り下げが足らず、とってつけたような設定が多い。 ビショッカーに両親をさらわれたためビショッカー打倒を目指している「ピータン」というキャラが仲間になるが、彼の両親は一切登場していない上に、結局両親の所在は不明。にもかかわらず、彼が仲間になった後は話題にすら上がらない。結末でも彼はビショッカー撃破を喜びこそすれ、両親のことには一切触れない始末である。 ビショッカーのトップである「ドン・クック」は、ラスボスとして唐突に登場するのみである。 同様に「ハオヂィ」も、主人公たちについてくる理由や後編で勝負を挑んでくる理由が薄い。 フードンのデザイン イラストのタッチやゲーム中のドット自体は悪くないのだが、料理を基にしたモンスターではどうしても格好良さに限界のあるデザイン。 頭に「トム」「ヤム」と書かれた二人の子供の「トムヤムくん」、ライオンとカバとブタが串に刺さっている「シシカバブン」など、単なるダジャレフードンも多い。 料理モチーフという中で頑張ってモンスターを作ろうとはしているようだが……。 技モーションの使いまわしが多い 技モーションが少なく、「ラッシュ」「にぎりつぶし」などの腕を使う技は全て同じパンチのモーションなど、使い回しが多い。酷いところだとラスボス専用技「ダークスピン」は「たいあたり」と同じモーションである。 モーションや効果は使いまわしで名前のみではあるが、一応フードンごとの専用技は多い。 戦闘関連 大味すぎるバランス。 他RPGでいうHPの「FP」は、いわゆるMPと共用のステータスであり、初期技以外の技を使うたびに自分の体力も消費してしまう。 技の説明が最低限しかなく、威力や命中率、属性がわからない。 なぜかと言えば、はっきり言って説明するほどの内容がないからである。威力はせいぜいFP消費技の方が強いといったレベルでしか差がなく、命中率はせいぜい状態異常攻撃命中率が低めな程度。属性に至っては「何の属性も持たない技」「フードン自身と同じ属性の技」の2種類しか扱えない。 おかし系のうちバニラアイスなどが使える氷攻撃、マンゴープリンが使える眠り攻撃などの技は重ね掛けがきいてしまうので一方的にハメ殺せてしまう。(*1) 技が外れることもあるが、どのみち1ターン外れた程度で解除はされないので意味はない。ハーブのトッピングで治療していれば解放されることにはなるが、逆にいえば外れるまでハーブを消費し続けることになるということである。ハーブの方も外れる。 ハメ技よりはマシであるが、能力変化に限界がないのでまもりアップで防御をあげ切られると状態異常しか打つ手がない。 そのまもりアップでさえ、まもりが上がりきる前にハメられたらなす術がない。 「うん」というパラメータを「うんアップ」で上げることができる。だが、「うん」の存在意義が不明。クリティカルは存在しないゲームであり、回避は時たまあるが「うんアップ」を連打しても回避する様子はない。 逆に「うんダウン」も存在する。こちらも命中率が下がっているような様子もなく、同様に存在意義がない。 実際には命中率ははやさに依存している。あくまで憶測に過ぎないが、本来うんに依存するべき命中率がバグではやさに依存している可能性もある。 二回攻撃系のわざは基本的に弱い。なぜならば本作では多少のまもりの変化ではほとんどダメージ量に差がみられないのにもかかわらずある一定のラインまでまもりアップなどで耐久が上がると急に1ダメージになる仕様が存在し、一発あたりの威力の低い二回攻撃技はこのラインを簡単に下回ってしまうからである。 また、一発目が外れると二発目は不発に終わる。逆に一発目は命中したのに二発目が外れるということもあり、外れる機会が他のわざよりも多いデメリットとなってしまっている。 FP消費技の連続技の場合、FPは2回分必要になる。通常のわざならばFPが足りないとそもそも選択できないが、連続技は1回分のFPで選択できてしまう。その場合1度だけ攻撃して2撃目は不発に終わる。 充分な火力で殴ったとしても他のわざに比べ特別威力が出るようなこともない。 ただし、「ラッシュ」に関しては充分な火力で殴れば基本技にもかかわらずFP消費技を上回るダメージ効率となる。それはそれでバランスが悪い。 まともな戦術もそれを使えるフードンも限られておりパーティが固定化されがち。 というか、突き詰めていくと最強パーティーはプリンパフェ×5という面白味も何もないメンツになる。プリンパフェは凍らないうえにおかし系の特徴として素早さが高く、無効化される相手のいない眠り攻撃を先制して使って後は永眠というパターンにするのが一番お手軽かつ最強だからである。 ふつうポケモンやそのフォロワーは相性の概念でこういった事態を防いでいるのだが、本作でおかし系を得意とする3系統は全ておかし系に比べ遅いので何もできずにハメ殺されるだけである。おかし系より速いたまご系はおかし系に弱い。結果プリンパフェに対処するにはよりレベルの高いプリンパフェで先制してやられるまえにやるという身も蓋もない事態となる。 ならばハメ技を封印したらまともな勝負になるのか。残念ながら答えはNOである。なぜならば本作の戦略性はハメ技以外にないと言っても過言ではないからである。その他には「まもりアップで泥仕合」「焼け石に水レベルのその他の能力アップ技」「やけどやカビでスリップダメージを与える」「FP消費技での単なる殴り合い」以上。誇張抜きでこのレベルである。戦闘で使えるコマンドは「たたかう」「トッピング」のみで、交代すらできない(*2)ため、満足に弱点を突くことすらできない。 後半手に入れたレシピの意義が薄い 料理ミニゲームの出来で仲間にしたキャラの初期レベルが変わるが、高得点を出してもレベルは1ケタにしかならない。序盤ならともかく、中盤以降はフードンを仲間にしてもまず使えないだろう。 ラスボス戦直前にある人物から「ダークレシピ」に対抗できる伝説のレシピ「ワンダーレシピ」を教えてもらえるイベントがあるが、この時点でレベル1ケタのフードンを作っても対抗のしようがない。 せっかく、作ったフードンの種類数などによって主人公の肩書き(さらあらいなど)が変わるシステムなのだから、初期レベルを高くして料理の上達を表すなどやり方はいくらでもあったはずだ。 ならば序盤組は優遇かといえば実はそうでもない。オリジナル料理を作ると作った料理はベースよりもランクが高いものになる(*3)のだが、ランクの高いものは完全上位互換になる。 例を挙げるとプリン→マンゴープリン→プリンパフェと言った具合にランクが高いのだが、プリン・マンゴープリン共に技構成・ステータスともにプリンパフェに劣るため、プリン及びマンゴープリンは単なる踏み台にしかならず、プリンパフェのレシピを手に入れたら作る意味がなくなるのである。「進化」の概念を出せば完全上位互換でも何の問題もなかったのではないだろうか。 やたら多い属性 ごはん、パン、にもの、フライ、カレー、たまご、おすし、パスタ、めん、やさい、おかし、スープ、にく、てんしん、てっぱん、どんぶり、だいしっぱい、???と、やたら属性が多い。(*4)「カレーはやさいに強く、スープに弱い」などの相性も法則性がなく、覚えづらい。属性によっては属するフードンがほとんどいないものすらある。 特ににもの系は数が少ないため、にもの系に相性のいいフードンは相対的に割を食う形となっている。 なぜかパスタ系は素早さが最低レベルなのに他の能力も高くないと理不尽な扱いを受けている。 ごはん系はバランスが良いという触れ込みなのだが、実際には相性が良い属性は0種類、弱点は3種類と弱すぎる。弱点属性がメジャーなのも痛い。 料理を無理矢理属性分けしているため、料理によっては属性が違和感のあるものになっている。例えば、タコス、冷ややっこ、麻婆豆腐は全て「やさい系」である。 ゲーム中に「得意な属性」は書いてあっても、「弱点となる属性」や「攻撃が通りにくい属性」(*5)の表記が一切ない。 というかハメ技のせいで本気で戦うとおかし以外は存在価値なしになる。 スープ系はカレー系とたまご系に相性がいいと書いてあるが、実際にはにもの系にも相性がいい。 にもの系の肉じゃがはステータス欄にはおかし系とめん系に強いとあるのだが、実際にはおかし系とめん系の他、たまご系にも強い。(*6) はやさが遅い系統は極めて不遇。その他のステータスであるFP・ちから・まもりはどのフードンも大差ないため、20~70程度とやたら差が激しいはやさで差がつきやすいからである。おまけに命中率は、はやさに依存しているらしくはやさが低いフードンは攻撃を外しまくる。 そのほかに、和食・洋食・中華・エスニックといった分類のようなものも存在するが、ほとんど活用されていない。四天王の所持フードンがこれに則って決められているぐらいだろうか。 「エスニック」の分類はかなり雑多で、東南アジア、インド、韓国、中南米など和・洋・中に分類できない料理がとりあえず入れられているという印象が強い。なぜか「パエリア」などもエスニックに含まれている。 パスワード専用モンスターが多い 後編終盤のボス専用モンスターや「ホイコロン」「にくジャガー」「ピザーラン」はゲーム内で入手する方法がなく、コミックボンボンに掲載されたパスワードを使う以外入手方法がない。ボンボン読者以外は前後編両方プレイしたとしてもコンプリートできなかった。 また、前編・後編の間でレシピの引き継ぎはできないため、片方のソフトのフードンをもう片方で使いたい場合、一体ずつパスワードや通信を使って引き継がなければならない。 そのパスワードも、フードン数は180とポケモン並みに存在する割には預かってもらえる限界が40ほどしかなく、いちいちわかれる作業が必要となる。 「だいしっぱい」以外の料理はすべて片方のバージョン限定なので、カタログを完成させるためにはかなりの回数のパスワード入力が必要。 フォントが見辛いうえにパスワードが長く、入力に時間がかかるうえに見間違いでの失敗もしやすい。 決していいとは言えないゲームテンポ GBにもかかわらず、中盤以降FPが多くなるとダメージを受けた後のゲージの減りが必ず処理落ちしてガクガクになってしまう。 そもそも、戦闘バランス自体がデフレ気味であり敵を倒すのにたいていの場合3~5発程度を要する。こうかバツグンでようやく2発で倒せるくらい。無属性の攻撃が多い上に半減は少ないため半減ばかりで長引くことはないのが救い。 マップ上を移動する際、ショップマスや食材交換イベントマス(*7)に着くと指定した箇所にまだ着いていなくてもそこで止まってしまう。 特に食材交換イベントはセリフが長くストレスを感じやすい。 状態異常になっているフードンがいるとターン終わりにいちいち「オムレッサーはねむっている」などとメッセージが出る。特に前述のハメ技に入った場合などは何度もこれを見させられることになり鬱陶しい。 育成関連 パスワードで出したフードンにはニックネームをつけることができない。名前を変更する手段もないため、パスワード専用フードンやもう片方のバージョンで出るフードンにニックネームをつけて育成することができない。 初めから覚えているわざが再び習得できるフードンがいる。そのわざを忘れていなかったとしても習得ができてしまい、同じわざが二個ある状態が作れるバグが起きる。当然ながらデメリットしかないが、単に習得済みのわざが来ても覚えなければいいだけの話ではある。 経験値は自分と相手のレベル差に応じて加算され、全レベル共通で100貯まるとレベルアップするという仕様なのだが、5レベル差くらいから、経験値は0になってしまう。 このため、フードンのレベル上げの限界が早い。具体的には敵フードンでの最高レベルが76なので、理論上81程度が限界と思われる。 しかも本作ではラスボスとの再戦すら不可能なのが問題で、ここまでフードンを鍛えようと思えば通信環境と前後編を揃えた上で初期化した後編に育てたフードンを送り込んで2周目プレイをする必要がある。さすがにそれは現実的ではないため、実際には70前後がいいところ。 評価点 ウリであるトッピングシステムについてはなかなかよくできている。 ケーキやどらやきのキャラなどは、かわいいマスコットキャラとして見られるデザインではある。 クソゲーの常か、BGMは特別高い評価でないにしてもまずまず。 前編のオープニングの曲は前半と後半でわざわざ別の曲が使用されている。さらにボス戦のBGMの種類もそこそこあるなどかなり力を入れている。 しかし前述の通りボスとの再戦は不可能なので、戦闘曲はほとんどが2度と聴けなくなってしまう。サウンドテストモードがあれば楽しめたと思えるだけに惜しい。 ドットの公式絵再現率や、一枚絵は当時のGBソフトにしては出来が良い。 前述のハメ技や「まもりアップ」が使えるキャラは早い段階で手に入るようになっており、ストーリー中で「まもりアップ」の対抗手段となるやけど攻撃の手段を持つフードンが最序盤に手に入るなど、味方が限られていてもチョイス自体は悪くない。 通常攻撃は命中率が高い他、はやさにある程度の補正がかかり先制しやすくなる。(*8)このため「最後っ屁に先制で通常攻撃を撃つ」「瀕死の相手に通常攻撃を撃ち、最後っ屁を打たせない」「あえてFP消費わざを使って後攻を取ることで相手に先に殴らせてねむりから覚めて攻撃」といった駆け引きが生まれる。本作における数少ない戦略性である。 ただしあまりにもはやさに差のあるフードンの場合通常攻撃でも先制はできない。 6文字のニックネームをフードンに付けられる。当時名前を決められるシステムのあるゲームでは大抵が4~5文字までであり、6文字ネームは地味に珍しかった。 アイテムが種別ごとに自動的に整頓される。見やすく便利。 ひろば(フードンの預かり所)にいるフードンも手持ちの控えにいたフードン同様、戦ったフードンの半分の経験値を得ることができる。(*9) 前述したフードンの加入レベルが遅い問題をある程度補っている良仕様。 結局加入レベルが低いことには変わりはなく、また直接戦ったフードンの半分の経験値のみであるため根本的な解決にはなっていないのは残念なところ。 総評 料理モチーフの新しい要素はあるものの、当時の水準でもポケモンフォロワーのRPGとして低水準であり、ただでさえ薄いストーリーを前後編に分ける意味も薄い。 前編からわずか二ヵ月でほとんど改善点のない後編を販売したことから見ても、開発期間があまりにも短く完成度も低いと言わざるを得ない。 また、モンスター収集要素はあるものの、料理したフードンのレベルが低すぎる仕様により序盤以外のキャラがどうしても使いようがないのはポケモンフォロワーのゲームとして「致命的」だと言えよう。 余談 1999~2000年にかけて、コミックボンボン誌上で津島直人によるコミカライズがされている。ストーリーはゲームとの関わりが薄く、オリジナル展開が多い。理由は不明だが、打ち切りのような形で最初の四天王を倒したところで終わってしまった。 漫画版の評価自体は高く、お色気シーンなどは今でも語り草である。 同時期のコミックボンボンで同じくコミカライズされたゲーム作品としては『クロスハンター』がある。こちらも、内容の薄さ、無駄に多い属性、大味なゲームバランス、ほぼ無意味な分割商法と共通点が多い。もっとも、わずかながらも評価点が存在する上にシステムに目を瞑れば楽しめる水準には辛うじて達している『ビストロレシピ』と比べて、『クロスハンター』は漫画版も含めてさらに評価が悪い。 2001年にNHK衛星放送でアニメ版も放送されている。漫画版のストーリーを原作としており、こちらは最後まで完結した。 『Fighting Foodons』のタイトルでアメリカでも放送された。 1999年9月にワンダースワン版も発売されている。GB版の前編より発売が早いが、内容は前編と後編の間の時系列となっている。こちらにはマップ上の移動なども存在している。 その後本作と同じく料理を題材にした恋愛RPG『ビストロ・きゅーぴっと』シリーズが発売された。尤も製作したのは香港のゲーム会社だが。
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どうぶつの森 【どうぶつのもり】 ジャンル コミュニケーションゲーム 対応機種 ニンテンドウ64 メディア 128MbitROMカートリッジ 発売元 任天堂 開発元 任天堂エスアールディー 発売日 2001年4月14日 定価 単品 5,800円コントローラパック同梱版 6,800円 判定 良作 どうぶつの森シリーズリンク 概要 特徴(シリーズ共通事項についても含む) 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談・その後の展開 ひとりよりふたり、ふたりよりよにん、よにんより…た~くさん。 概要 自然豊かな村の中で、住民とコミュニケーションを取ったり自分の家の内装をいじったり村を散策したりしながら、のんびりスローライフを送るゲーム。 ニンテンドウ64末期に発売されたこともあってか、当初はそれほど注目のソフトというわけではなかったが、ゲームを余りやらない女性層を中心に大ヒット。 その後もインターネットの普及による口コミなど順調に知名度を上げ、何度か重版がかかるほどに売れ続けた。 特徴(シリーズ共通事項についても含む) 本作は現実と同様に四季や朝昼夜といった時間の流れが存在する。 春には桜が咲き乱れ、夏は青々とした葉が生い茂り、秋は見事な紅葉を付け、冬には一面の銀世界へと、四季折々の様々な顔を見られる。ゲームで一年をじっくり満喫できるのは本作最大の特徴であり、評価点の一つである。 ゲーム開始前に時間を設定できる。設定し直すことも可能。 この仕様を利用して、春から夏に一気に飛ばすといったハイペースな進行もできるが推奨はされない。 本作はシステム面において、ゲーム中は画面にマス目や目的や目標を示すアイコンの類は一切表示されない。あるにしても、アイテム画面等の指カーソルぐらいである。また、マス目単位での作業が求められるインテリアに関しても、カーソルを操作し、どのマス目に家具を配置するかというシステムではなく、自キャラを動かして、直接家具を置いていくというシステムである。アナログかつやや不便を感じられる面ではあるが、むしろそのおかげで自分の手で時間をかけつつ何かを積み上げているという実感を感じられ、また、何らかのシミュレーションゲームとしてではなく、「村の中で生活している」という没入感を感じさせてくれる。 個々の操作もシンプルで、覚える事も少なく慣れるのも容易。虫採り網や釣竿、スコップなどの道具を買う際にも説明を聞く事はあるが、聞き逃しても操作が簡単ゆえに問題なく扱える。 このシリーズでは基本的にセーブせずに終了する事は禁止。つまり「都合の悪いことをリセットする」という考えは御法度である。 実際にセーブせずにリセットしたり電源を切ると、次に遊ぶ際に「リセットさん」というもぐらのキャラクターが登場し、事故で電源が切れようがお構いなしに、リセット行為に対して説教をする。 説教は面白みがあり、「ゲームとはいえ都合の悪い出来事も認める大切さを教えてくれる」と好意的な評価がある反面、口調が荒々しく、リセットすれば必ず現れるので、「何度も説教されるとうんざりしてリセット後はやりたくなくなる」「最初の数回だけでいい」と批判的な意見も根強く、賛否両論なキャラクターである。 初期設定・チュートリアル まずは村に向かう途中の電車で「みしらぬネコ」と会話をしつつ、名前、性別、表情、村の名前を決める。 表情は直接選ぶのではなく、みしらぬネコとの会話の回答によって選ばれる。男女それぞれ8種類。 男の子は半そで短パンで丸い帽子をかぶり、なぜかツノが2本生えている。女の子はワンピースのような服にトンガリ帽子をかぶり、両脇に髪がちょっと飛び出している。 ちなみに、一つのカートリッジに1つの村の情報しか記録されないので、2人目からは村の名前を選ぶ部分は飛ばされる。 村に着くと、商店を経営している「たぬきち」が迎えに現れ、自分の住む家を内装と屋根の色が違う4つの家からひとつ選ぶ。内装も屋根の色も後から変えられるチャンスはあるので、そこまで悩む必要はない。家を選ぶと、たぬきちに代金19800ベル(*1)を請求されるがゲーム開始時の手持ちは1000ベルしかなく到底足りない。というわけでたぬきちの店でアルバイト(=チュートリアル)をすることになる。 内容は住民にあいさつ回りをしたり、木や花を植えたり、お店の宣伝と称して手紙を書いたり掲示板を使ったりなど。いくつかの仕事をこなすとアルバイト終了。ここからは完全に自由、思うままのスローライフを始められる。何をしたらいいか分からない場合はとりあえず家のローン完全返済を目標にするといい。 村 縦6横5の計30ブロックから成り、縦は「丁目」横は「番地」で表される。 1丁目の上は線路、6丁目の下は海、1番地の左と5番地の右は高い崖に阻まれ、行くことは出来ない。 ある程度の法則性はあるが、村の形はほぼランダムと言っていい。だいたい3~4丁目に崖(というか高い段差)があり、2段構造になっている。必ず海まで続く川が1本流れており、崖の部分は滝になっている。ごく稀に途中で二又に分かれるような形状になっていることも。崖の上と下に1本ずつ橋が架かっており、そこ以外で対岸へ行くことは不可能。橋のデザインも、アーチ状の石の橋と平たい木の橋の2種類がある。途中に必ず大きな池がある。本作では空を見上げることができないので、花火やお月見などの空にあるもののイベントの時は、ここで水面に映ったものを楽しむことになる。 様々な虫や魚が生息しており、手軽に虫取りや魚釣りを楽しめる。 虫は「チョウ」「セミ」「クワガタ」「ゴキブリ」など、魚は「鯉」「ブルーギル」「バス」「エンゼルフィッシュ」「ピラニア」「シーラカンス」など、捕まえられる種類も豊富。 毎日雑草が生えてくる。直接的なデメリットは無いが、ほっとくと景観が悪くなるので見かけたらこまめに抜いておくといい。 何も生っていない木と、フルーツが生っている木の2種類が生い茂っている。邪魔ならオノで切り倒すのもアリ。栽培する場合は購入した苗木やフルーツをスコップで掘った穴に埋めることで可能。 なお、フルーツは5種類の中から村ごとに1つ選ばれ、最初から生えてるものの売値は1個150ベルだが、それ以外のものは1個500ベルで売れる。お出かけした際に持ってくる、あるいはお出かけするときに持ってきてもらうとお金稼ぎが楽になる。 村は地質調査の対象になっており、毎日のように地面から化石が出てくる。そのままでは無価値だが、「ファーウェイ博物館」という所に化石を添付して手紙を送ると化石を鑑定してもらえ、鑑定後の化石の標本を送り返してもらえる。ほかに雨があがった日に「はにわ」を掘り出せる。 主要施設 村には生活に役立ついくつかの施設が設置されている。 + 主要な施設一覧 駅 1丁目3番地にある、サルの「えきいんさん」が24時間勤務している駅。 ここから他人のカートリッジの村におでかけできる。ただしコントローラーパック必須。 毎週土曜日の夜にはストリートミュージシャンの「とたけけ」が現れる。彼に歌ってもらう(*2)とスタッフロールが流れ、その歌のミュージックがもらえる。 タヌキ商店 1丁目のどこかにある、家を売ってくれたたぬきちが経営する商店。道具や家具などが置いてあり、買い物や手持ちの品を売れる。 たくさんお金を使うと「商店→コンビニ→スーパー」と店が大きくなっていき、更に条件を満たすと2階建ての最終段階「タヌキデパート」になる。 郵便局 1丁目のどこかにある、ペリカンの「ぺりみ」「ぺりこ」が働く郵便局。手紙を保存したり、たぬきちから買った家のローンの返済ができる。 郵便局の近くにある掲示板で、村メロ(*3)を変更できる。 交番 崖下エリアにある、いぬの「おまわりさん」が勤務している交番。 外に立っている誠実な柴犬のおまわりさんは、特殊なキャラの訪問日時を教えてくれたり、来ている場合はその場所を教えてくれたりする。 中で勤務している弱気なブルドッグのおまわりさんは落し物の管理をしている。しかし誰も取りに来なくて困っており、プレイヤーが自由に持って行っても怒るどころか歓迎してくれる。 お社 崖下エリアのどこかにあるお社様。見えない誰かがお告げをしてくれる。 村の状態を教えてくれ、悪いと木や花が少ないブロックを教えてくれる。 周囲が整備されていることから広場としての用途もあり、お花見や運動会などのイベントはお社のあるブロックで行われる。 ゴミ捨て場 ゴミを捨てるための場所。ここにアイテムを置いておくと週2回のペースで回収してくれる。 村の住人たちも捨てているのか、服やびんせん、家具などが置かれていることがあるで、そのまま拾って商店で売ってベル稼ぎにもなる。着服しても特に咎められないうえ、ゴミとは言うものの一切損傷していないので問題なく使える。要は気持ちの問題。 釣りをしているとたまに本物のゴミが釣れることがある。その辺に捨てるとお社様に怒られるのでしっかりここに捨てるといい。 掲示板 自分の家のある2丁目3番地の中心にある掲示板。 自由に書き込みができるほか、たまに「○丁目○番地に(どちらかを伏せられることもある)すごいものを埋めた!」という書き込みがあることも。 キャラクター 村にはプレイヤー以外に獣人のキャラクターが住んでおり、外見などは特に個性的。たぬきちやぺりこ、とたけけといった「固定キャラクター」、交流を深めることでいろいろな要素を楽しめる「住人」の2パターンがある。 住人は初期配置として3人が住んでおり、村の状態により最大15人まで引っ越してくる。 キャラクターは「どうぶつ語」という独特のボイスでしゃべる。単に1文字ごとに割り当てたボイスをテキスト通りにそのまま再生しているだけなのだが、数種類の声色があり、独特のかわいらしさがある。よく聴いていると、テキストを見なくても何を言っているのかがなんとなくわかる。 特定イベントにちなんで来る固定キャラクターの数も多く、また非常に個性的。 このシリーズの看板ともいえる固定キャラクター「とたけけ」の存在がユニークで印象深い。毎週土曜日の20 00に出現するが、このときに彼が聴かせてくれるのは生声フルVer.でスタッフロール兼用。なんとも言えない「味」がある。曲にはクラシックや民謡、ポップスなど様々なジャンルがあり、ボイスとギターと口笛を巧みに使い、様々な音色を再現し演奏してくれる。演奏を聴くと、アイテムとして音楽データを貰えるのだが音楽自体の出来はかなり良く、自宅内のオーディオアイテムで再生できたりする。曲は本作の時点で隠し曲を含め55曲もある。そしてシリーズごとにその数が少しずつ増えている。 仲が良くなると、自分に対して親切にしてくれるようになったり、「おーい」と呼びかけてくれたりするようになる。仲が良くなることで初めて貰える珍しいアイテムもある。 村にランダムでやってくるどうぶつの住民。 家は村にある看板を中心とした3×3の範囲に建てられる。この範囲内では木が育たず、もし家が建つ前に範囲内にアイテムが置かれていた場合、交番に届けられる。 どうぶつの家の広さは6×6マス固定だが、家の内装はどうぶつによって全く違う。 住民の種類も豊富で、単に種族別に見ても、ネコ、イヌ、ウサギ、ライオン、オオカミ、ワニ、にわとり、タコなど、一般的な動物から「どうぶつ」として微妙に怪しいものまで幅広い。 世間話のほかに「何か困ってることは無い?」という内容の選択肢を選ぶと、「○○のところにこれを届けて」「○○というアイテムが欲しいから持ってきて」「ボール(*4)で遊びたいから持ってきて」というような頼み事を言ってくることがある。頼みをこなすとベルとアイテムがもらえる。 どうぶつはお手紙が大好き。親密になりたいのなら、積極的にお手紙のやりとりをしよう。アイテムを手紙につけてプレゼントすることも可能。 手紙は大切に保存され、他の人の村に引っ越した場合(*5)でも捨てられることは無く、場合によっては文面を見せられることも。あまり恥ずかしい手紙は書かないように。 仲良くなると、バレンタインデーやホワイトデー、誕生日などにプレゼントがもらえるかも。 どうぶつには性格が設定されており、一人称を見れば一発で分かる(*6)。それにより話す内容と起きている時間が異なる(*7)。男女別に3種類の計6種類。 + 性格一覧 男の子の性格(最大2人) おいら系:体育会系。カラダを鍛えることをやたら推してくる。起きている時間は6 00~25 00。 オレ系:兄貴分みたいな性格。気がけっこう短め。起きている時間は10 00~翌5 00。 ボク系:のんびりした性格。男の子の中では最も気の長いタイプ。起きている時間は8 00~22 00。 女の子の性格(最大3人) あたし系:ややプライドの高い性格。気が短い。起きている時間は9 00~翌3 00。 アタイ系:高飛車な性格。押しもかなり強い。起きている時間は7 00~24 00。 わたし系:清楚な性格。口調もかなり丁寧で、とても気が長い。起きている時間は5 00~21 00。 自宅 家は最初4×4の広さ。ローンを返済しきると増築を勧められ、6×6→8×8と広くなっていく。 家には家具を初め、ムシやサカナ、ふく、かせき、その他ゴミなどのだいたいのアイテムを置く事が可能。 ギミックのある家具も多く、例えばテレビはつけたり消したりできる。トイレは座った後に降りると水の流れる音が出る。 とたけけからもらったミュージックは、ラジカセ・コンポ系の家具に入れるとBGMが流れる。部屋の雰囲気作りにぜひ。 雨の日に掘り出せるはにわは、家に置くと一定周期で音が鳴るギミックになる。音を出さないようにして純粋な置物にすることも可能。 家具は家の中では家具になるが、外に置いた場合は葉っぱのまま。一時的に外に置きたくなっても邪魔にならない。 外では家具として使えないことの裏返しでもあるが。 虫は1×1の虫かごに、魚は大きさによって1×1か1×2の水槽に入った状態で置かれる。デカい水槽を買って泳ぐ姿を見るということはできない。 びんせんやフルーツなどは外に置いたときと同じ状態で置かれるために上を通れるが、服はマネキンのようなものに飾られた形で置かれるので通ることはできない。 「風水」の概念があり、北にオレンジ、西に黄色、東に赤、南に緑色の家具を置くと金運・物運がよくなる。そこまで劇的には変わらないが、意識しておいて損はない。 また、招き猫や幸福の木(*8)のように、どこに置いても運がよくなるラッキー家具もある。 家の外にはポストがあり、手紙はここに届けられる。10枚しか保存されないのでこまめにチェックするといい。 「ハニワくん」という埴輪が一家に一体備え付けられている。彼に話しかけるとセーブや、アイテムの預かりなどが可能。 アイテムを預ける際にあらかじめ値段をつけることで、他のプレイヤーに買ってもらうことも可能。 しばらく村に来ないで放っておくと、自分の家に「ゴキブリ」が出てくる。長い間放っておくと家具を動かしたときにも出てくる。踏み潰すか、大きめの家具で押し潰すと死滅する。 評価点 ゲームとして一番重要な村の雰囲気というものがとても素晴らしい。主要な施設はほぼ抑えておきながら、近代的なものは無闇に出てこない。スローライフを行う上では、最高の環境と言える。 家の外ではBGMも流れるが、主張しすぎずしかし無いと寂しい、そんな絶妙なバランス。 元旦にはお社様へお参り、4月にはお花見、8月には花火大会、9月には十五夜のお月見、大晦日には池のほとりでカウントダウン…と、イベントもなかなかに豊富。 家具や虫・魚・化石の収集によるやり込みゲームとしての側面も持つ。 店で購入したり、道具を使って入手したり、村の住民とコミュニケーションしたり、イベントをこなすなど、様々な入手方法がある。入手が容易ではないものも多数存在し、徐々にコレクションが増えていく充実感が本シリーズの魅力の一つとなっている。 虫は不用意に近づくと逃げられてしまうので、逃げられないようそーっと近づく工夫したり、魚は希少な魚ほど食いつき(釣れる瞬間)の猶予が短いため集中力が必要だったり、なかなか集めがいがある。 虫・魚は収集可能な季節・時間帯が限定されているものが多い。 見方を変えれば、「今月は目当ての虫をゲット出来るかもしれない」「次は大物を釣り上げられるかも」という風に、コンプリートの難しさがプレイヤーにまた遊びたくなるモチベーションを与えているとも言える。 飽きがこない会話量 会話の内容が非常に膨大である。同じ会話や台詞というのは全くないと言っていいほどの量で、飽きが来ないようになっている。 どうぶつ達の独創的な会話や小ネタなどを楽しむ事ができる。 ローンが多すぎない。 数ヶ月それなりにやりこめば最終段階まで全額返済できる。 その分最終段階は1階建てで面積も8×8しかないが。 家具や服を始め、収集できるアイテムの種類が非常に多く、コンプリートが大変になるレベルの豊富さを誇る。 集めたアイテムを利用して、自宅内を自由にカスタマイズ可能。一部のイベントのアイテム(ナイフとフォーク等)はそのまま無断で拝借して飾ることも可能。 家具はタンスやテーブル、ソファといった一般的なものから、観葉植物、リンゴがモチーフのかわいいテレビ、身長と同じぐらいデカいチェスのコマ、任天堂のゲームらしい「N64のロゴ」や「ファミコン」「床の間」「自動販売機」「手水鉢」「ロケット」「トーテムポール」「池」など、よく分からない方向性の家具も手広くカバー。自分の趣向にあったコーディネートが十分に可能。 ファミコンは何と挿さっているゲームを実際に遊べる。「ゲームの中でゲームにハマっていた」という事態も珍しくない。 収録されているのは『ドンキーコング』『バルーンファイト』『ピンボール』『ゴルフ』『テニス』など。往年の名作をたっぷり遊べる。全体的に入手困難なものが多いため、知らずに入手したプレイヤーにとっては棚から牡丹餅といったところだろう。 ミュージックを再生できる家具1つ取っても、ショボい「ラジカセ」から「高級コンポ」「蓄音機」「テープレコーダー」「ジュークボックス」果てはサイコロをモチーフにした風変わりなコンポまで様々な種類がある。 これらはミュージックの音質もそれぞれ異なる。いいコンポは当然音質がいいし、逆にレトロな音が欲しかったら蓄音機の出番。 服もチェックやボーダーといった普通の物から、アゲハ蝶の羽根を模したド派手な服、一見血まみれだが実はトマトジュースをこぼしただけという設定の服、赤いお兄さんや緑の弟の服、果てはカビた服まで……。 オレンジで胸の辺りに茶色のギザギザが入ったセーターという、既視感バリバリの服まである。 操作性は非常に良好で、レスポンスも早い。 特に手紙などで文字を入力する画面が非常に素晴らしい出来。例えばひらがなを入れる場合、3Dスティックの上半分でまず「あ~な」行のどれかを選び、その後に選んだ行の文字を同じくスティックの上半分で選び、Aで入力。スティックを下に入れれば「は~わ」行へワンタッチで切り替えられる。 独特な操作故にある程度の慣れは必要だが、慣れればその快適さに感動するだろう。 ただし操作性は良いものの、ゲームスピードに関してはあまり良いとは言えない(後述)。 賛否両論点 明確な目的が無いというゲームデザインゆえに、主体性が持てないとすぐに飽きてしまいやすい。 借金返済を目的にすると、作業感が強まりやすいのも難点。 問題点 自宅が狭い。 家具を置かない通路のスペースも要るのでそこまで大量に置けない。 テーマ系の家具や虫・魚をそろえても1パターンしか飾れないのも難点。 また、ティラノサウルスやトリケラトプスなどの化石を置く場合、それぞれ頭、体、しっぽの3パーツを置いて初めて恐竜の形になるのだが、1パーツが2×2とデカく、完成図を見たかったら2×6のスペースが必要になる。 収納スペースが少ない。 タンスやクロゼットには服やびんせんなどがしまえるが、サイズに関係なくスペースは1枠しかないほとんど無意味なものになっている。 ミュージックを始め非売品のアイテムが多いのでスペースは欲しいが、とても家の中には詰めきれない。 手紙に添付して郵便局に保存という手はあるが、手紙から外すまで添付したアイテムを確認できないので、上手く整理しておかないと目当ての物を探すのに苦労する。またコントローラパックが無いとこの手法は使えない。 この欠点が顕著なのが虫と魚。これらはナマモノなので手紙に添付できない。 5万ベルしか持てない。 所持しているベルが5万を超えると、3万ベルの袋がアイテム扱いになり、アイテム欄を圧迫される。 せめて5桁カンストまで持てるようにして欲しかったところ。 貯金などがないため、お金をたくさん増やしても収納できる場所がない。 同時プレイができない。 家族や友人とデータを共有しても、一人でやるか、見てるだけしかできないのは残念。当時のCMでも「同時プレイはできません」と書かれていた。 一応、ファミコン家具のゲームの二人プレイは可能。 間違えて博物館に未鑑定の化石以外のアイテムを付けて手紙を出しても、そのアイテムは帰って来ない。 シリーズで唯一、冬になるとすべての花が芽になってしまう。外見は『おいでよ どうぶつの森』以降雑草と共に生えてくるクローバーのようでもあるが、その間はガーデニングを我慢しなければならない。 そのかわり冬の間は雑草が跡形もなく消え、生えてもこない。村の環境管理が極めて楽になる。 お手伝いの問題点 お手伝いの中に「対象の人物から借りたアイテムを返す」というものがあるが、対象のどうぶつに会っても別のどうぶつに貸していたケースが多く、時間がかかる。 お手伝いの対象にイベントに参加しているどうぶつが対象になることがある。そのどうぶつに会ってもイベントに関する話題しか話さず、お手伝いを完了できない。 この問題点は『+』にも継続されている。 魚を釣り上げるかは運要素がある。 竿を引いた途端に魚が逃げてしまいゴミ(あきかん、ながぐつ、タイヤ)が釣り上がることもある。貴重な魚を狙い定めてもゴミを釣ってしまうこともよくある話。部屋を散らかすとハッピールーム・アカデミーにポイントが減点され、たぬきちから買い取ることもできないというただのハズレアイテムであるため文字通りに役に立たない。 海に出る魚が15000ベルで売れるシーラカンスのみ物足りない。 釣り上げられるタイミングは非常にシビアではあるが、シーラカンスは雨か雪の日にしか出てこないため、適当に往復すれば簡単にお金を稼げる。 現実と同様、6月に雨天の日が多すぎる。梅雨の季節とはいえ、ほぼ一月中・一日中雨が降り続けるのは流石に陰鬱。 雨の日は出現する虫も減ってしまう。滅多に雨が止まないので、雨が降る割にハニワも掘れないと言った問題もある。 5月や7月に比べるとできる事がやや少なく、上記のようにシーラカンスを釣りに海辺へ通うことになる。雨の日はBGMもずっと同じで飽きやすい。 7月1日以降になったら出現する虫や魚も増え、一気にやり応えが出てくる。 とはいえ昼しか出現しないオニヤンマを捕まえるのに難易度は異常的なトップであり、神出鬼没の如きに直進に移動で画面外に逃げられることも少なくない。ハチと同じく買い取るのは4500ベルぐらいなので深夜から朝まで滅多に出現しない代わりに難易度の簡易であるオオクワガタには劣る。 ハロウィンやクリスマスのイベントにはダブり半端ない。 10月31日にてパンプキングにアメをあげることでかく、じゅうたん、かべがみのいずれかプレゼントが貰えるものの欲しい物に当てならない程のダブりやすい。12月24日にジングルの場合は5回に会話しなかればならないことも一苦労する上に、服を着ることで別人と誤認しても9回しかプレゼントしか貰えず、パンプキングから貰えるプレゼントと同様にダブりまくるのもストレスが溜まりやすい。 ゆきだるまを作るのは難易度が高い。 12月下旬から2月下旬までに2つの雪玉が出現する。雪の上でみるみると内に大きくなり完成度が高いと翌日に手紙が届いてくる。だが胴体分はやや大きめで頭部分は胴体分より小さめに作らなければならず、完成度が中途半端だと翌日に手紙が届かない。しかも坂で勢いに転がって破壊されたり、池でも川でも海に落ちると振出しに戻ってしまうことも水の泡になりやすい。 村の状態を良くしておくメリットが微妙。状態がいいと住人は最大15人まで増えるが、ただそれだけ。 住人が増えると処理落ちの可能性も上がるので、適度に悪くした方がいい始末。 よその村にお出かけをしないと村の住民が減らない。 お気に入りの住人と離れたくないプレイヤーにとってはありがたい仕様だが、村に住人が15人いると新しい住人を迎え入れることができない為、プレイ状況のマンネリ化に陥りやすい。この点は次回作の『+』以降改善されるが、今度は「住人が前触れなく引っ越す」という別の問題点が生まれてしまった。 メッセージスピードをはやいに設定しても遅いなど、全体的にゲームの動作が重い。 Bボタンで一文章内の自動メッセージ送りが可能だが、焼け石に水程度の速度。 雨や雪が降っていたり、同エリア内に住人や行商などが合わせて3~4人ほどいたりするとさらに遅くなる。 この点も『+』で劇的に改善された。 セーブ時間が長い これはセーブデータが非常に大きいためである。村の状態や家の家具位置の保存などにより、他のゲームと比べてセーブデータが巨大になっている。 この「セーブデータが大きい」という特徴は、後のシリーズ作品にも引き継がれ、少なからず影響を与えている。 『どうぶつの森+』メモリーカードの容量をすべて使い切ってしまうため、ソフトパッケージの中に新品のメモリーカードが同梱される。 『とびだせ どうぶつの森』巨大なセーブデータに対応するためカセットROMに特殊な部品を使った影響で、カセットROMの生産が追い付かずゲームソフトが品薄になる。 など... リセットさんの説教 リセットした際に待ち受ける「お説教」が、停電や原因不明のエラーといった不可抗力によるリセットでも発生してしまう。 また、この説教で泣いてしまう子供プレイヤーも居たらしく、後のシリーズ作品では初回だと優しめの言葉で諭してくれるようになったり、「電池切れ」「原因不明、身に覚えがない」と故意のリセットではない事を主張できるようになったりと少しだけ改善されている。 ちなみに、本作は目立った不具合やフリーズするといったこともなく、また、運要素もそこまで強いわけでもないうえ、試行回数も日付変更などで容易に稼げるので、衝動的なリセットが大半を占めることになる。 総評 激しいアクションも、濃密なストーリーも無い。乱暴に言えばただふらふらするだけのゲーム。 魚釣りにしろ虫採りにしろ家具配置にしろ、住民と話す事だって、この部分が素晴らしい要素だと断言するには厳しいだろう。 しかしそれらを含めてスローライフを満喫するという独自の楽しさは、それまでのゲームでは味わえないものであり、多くのプレイヤーを虜にしてきたのも事実である。 シリーズ初代とあってシステム面で粗削りな面はあるが、完全版の『どうぶつの森+』で概ね改善されたので問題ない。 人気シリーズとなり最新作が出続けている今も、根本的な面白さは変わっていない。原点として意義のある1作であったといえよう。 余談・その後の展開 本作発売からたった8ヶ月で、ゲームキューブ用ソフトとして完全版に近い『どうぶつの森+』が登場し、好評を得ることとなった。 本作はカセットのみと、コントローラパック同梱版が発売され、同梱版のコントローラパックには、宮本茂氏のメッセージ入り手紙データが入っていた。 ちなみに『+』においてはメモリーカード59が標準同梱され、その中には前社長である山内溥氏の手紙が入っていた。 本作は元々『64DD』というN64の周辺機器専用のソフトとして開発されていた。計画段階では動物たちは4足歩行を行うリアルな姿で、彼らと一緒にダンジョンを冒険するという、まったく違うジャンルのゲームだった。 64DDの大容量セーブデータや時計機能など独自機能を存分に利用するゲームの予定であったが、当の64DDが普及に失敗。 これに伴い、機能を削ったりアイデアを再構成することで完成したのが本作である。 時計機能はカセット内部にボタン電池を搭載することで実現。 大容量セーブデータはマップの縮小と新登場した大容量半導体メモリを採用することで収まっている。 たぬきちはゲーム評論サイトの『IGN』では「腹黑で不愉快なキャラ」、『UGO.com』では「マフィアのボス」と評された。 理由としてアイテムの下取り価格が元の価格の4分の1だったり、たぬきちの店の営業時間がAM9 00~PM10 00なのに対し仕立屋エイブルシスターズの営業時間がAM7 00~AM2 00と不自然なまでに長い(*9)ことなどがあげられる。 とたけけのモデルは、主にゲームボーイで活躍した任天堂の音楽スタッフである戸高一生氏である。「とたけけ」とは彼のあだ名から来ている。犬のようなキャラクターは、友人がデザインしたものらしい。 曲のひとつである「けけソング」は、『ゼルダの伝説 夢をみる島』や『マリオペイント』等でも聴く事ができる。 本作はセーブデータ保存領域にフラッシュメモリを採用している。(*10) 理由として「遠い未来でも起動して村を覗いてくれる人もいるであろう」という、スタッフの想いもある。 本作はのんびりと遊ぶゲームだが、カタログコンプリートRTAに挑戦した猛者も存在する。 売り上げ的には26万本程度と微妙だったが、まさかシリーズが20年以上も続いた上に、 20年後に爆売れする事態になるとは当時はだれも想像できなかっただろう。 社長が訊く ゲームセミナー2008~『どうぶつの森』ができるまで~にて、本作が取り上げられている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7495.html
美少女戦士セーラームーンSuperS 真・主役争奪戦 【びしょうじょせんしせーらーむーんすーぱーず しんしゅやくそうだつせん】 ジャンル 対戦格闘アクション 対応機種 プレイステーション メディア CD-ROM 1枚 発売元 エンジェルメガハウス 開発元 キッド 発売日 1996年3月8日 定価 5,800円 プレイ人数 1人~2人 判定 クソゲー ポイント アニメ版への過剰尊重仕様故にあまりにも遅い必殺技ほぼ全要素で隙のないクソさファンアイテムとしても微妙BGMだけ素晴らしい謎の歌い手の正体は……? 美少女戦士セーラームーンシリーズリンク 概要 問題点 CG ゲームシステム ゲームバランス その他の問題点 評価点 総評 その後の展開 余談 概要 当時少女を中心として社会現象に発展した漫画・アニメ『美少女戦士セーラームーン』の格闘ゲーム第3弾。3DO『美少女戦士セーラームーンS』のシステムをベースにしたアレンジ移植かつフルモデルチェンジ作品。 『セラムンS』は技などの一部の要素をSFC『美少女戦士セーラームーンS 場外乱闘!? 主役争奪戦』から引き継ぎ、本作はさらに多くの『場外乱闘』の要素を引き継いでいる。そのためどちらとも違った作風となっている。 プレイヤーキャラクターは、スーパーセーラームーンとスーパーセーラーちびムーン、そして内部四戦士と外部四戦士の合計10人。 ドジなムーンの代わりに、誰が主役にふさわしいか勝負で決めるというストーリー。 『セラムン』ゲームシリーズでは初となるプリレンダ3DCG+モーションキャプチャを採用している。 SFC『場外乱闘』は初心者から上級者まで楽しめる大変優れた格闘ゲームとして評価され、キャラゲーとして見てもグラフィックやBGM、迫力ある技演出も悪いものではなかった。 3DO『セラムンS』は格闘ゲームとしての評価は高くないが駄作とする声もそれほどなく、キャラを美しいセル画で描いているといったキャラゲーとして見ればおいしい要素が豊富である。 だが肝心のゲーム内容は格ゲーとして最低最悪の出来であり、キャラゲーとしてもすすめにくい紛う方なきクソゲーである。 問題点 CG パッケージのムーンから独特なオーラが放たれていることから分かるようにCGのクオリティがひどい。 電源をONにすると、いきなりとんでもないムービーを見せつけてくる。 冒頭でムーン達がイバラに囚われているが、このシーンのムーン達が不気味極まりない。マネキンにしか見えず、得体の知れない不安感に襲われる。 笑顔のはずなのに無機質で、ハッキリいって全然美少女に見えない。これではキショう女である。 タキシード仮面のアップは一瞬だけだが、その一瞬でヤバさを理解できてしまう。 OPムービーはかっこよさを演出する意図は理解できるが、完全に技術が追いついていない。 『セラムンS』のムービーの技術も低かったが、あちらは一部をアニメにしていたり、戦士達の必殺技演出の評判は悪いものではない。 ゲーム中はプリレンダモーションキャプチャーのセーラー戦士達が動く。こちらも全く可愛らしく見えない。はっきり言って気持ち悪い。 画面に比べて小さく描かれており、その分顔面崩壊している。 さらに動き方がカクカクしているのにクネクネしている奇跡のグラフィックとなっている。まるで操り人形である。 特にジュピターに至ってはモーションの出来が悲しいほど酷く、ウラヌスに至っては何処ぞの裸芸人を彷彿とさせる動きである。 勝利時はもちろん、敗北時にもポーズを取るのだが、本来なら可愛いポーズなのに微塵も可愛くない。 初回限定生産版はピクチャーレーベル。ムーンのCGが描かれている。だが全く嬉しくない。 通常版は戦士達の星の記号が描かれている。こちらの方が可愛い。 何故こうなったかと言うと「当初は3DO版と同様のセル画にする予定だったが、お偉いさんが『流行りのCGにしよう』と提案したから」らしい。なんという失言をしてくれたんだ……。 同年に同じコンセプトで発売されたPS挌ゲーの『あすか120%スペシャル BURNING Fest』はまともな美少女であるため、本作の美少女達がいかに酷いかよく分かる。 ゲームシステム キャンセルシステムがない。華麗なキャンセルコンボは不可能。 あるにはあるが、連打キャンセル、バックステップ中に必殺技でキャンセル、小技を空振りキャンセルしての投げのみ。 連打キャンセルの仕様がおかしい。 連発中の技で固定される。例えば近距離用パンチで始動すると、遠距離になっても近距離用のパンチしか出せない。 もちろんパンチからキックに変更することも出来ない。 当然立ち技としゃがみ技の変更も出来ない。 回り込まれても振り向かない。隙だらけ。 遠く離れた後ろにいる相手を攻撃しようと、近距離技を絶え間なく繰り出す姿はシュールである。 ジャンプ攻撃のヒット、ガード問わず、自分が跳ね返ってしまい、飛び込みコンボが不可能。 着地ギリギリで当てれば跳ね返らずに済むが、着地のモーションが完了してニュートラルポーズに移行しなければ一切の行動が出来ないので、結局飛び込みコンボはどう頑張っても不可能。 ジャンプが組み込まれている必殺技は着地時の隙がほぼ無い(皆無?)が、それらの必殺技から追撃することは出来ない。 ジャンプ状態になる必殺技を連続ガードされると(?)、跳ね返りがかなり遅くなる現象がある。 滞空中に攻撃を受けると問答無用でダウンしてしまうため、起き攻めの起点にされると辛い。うかつなジャンプは自滅行為に等しい。 しゃがもうとするとモーションを完了させなければ何も行動出来なくなる。 このせいでしゃがみ技が使いにくい。回避できる立ち技が少なくないことを考慮しても、通常技の差し合い、つまり地上戦に向いているとは言い難い。 利用価値があるしゃがみ技は、スライディングを潰すための小足、一部の対空用大P、ダウンさせられる大足くらい。 しゃがみモーション自体が遅いという追い打ちもある。 しゃがみ状態から立ち上がる時にも、操作を受け付けない隙が出来る。 相手が空中にいると、立大Pと屈大Pが勝手に対空用の技に変化する。 便利だと思うかもしれないが、本作の対空技は信用しにくく、変化前の大Pの方を使いたい時は少なくない。 ジャンプ直後に技を出せない。判定が広いヴィーナスのPでさえ地上の相手に当たらない。挌ゲーのテクニック「しゃがみガードで強固な守備を維持する相手の守りを崩せる昇り技」は出来ない。 振り向きモーションを完了するまでの間は何一つ行動出来ない。 他のゲームよりも明らかにモーションが遅い。キャラによっては目測15フレームはある。 後ろから攻撃されてダウンし、ダウン中に相手が正面に回ってきた場合、起き上がり後に相手が正面にいるにもかかわらず後ろに振り向き、やっぱり誰もいないので再び振り向くというマヌケかつ隙だらけな姿を見せつけてくる。 食らいモーションの終了直前に謎の無敵状態がある。 連打キャンセルはきちんとコンボになる。 ヒットやガードの硬直中にも投げられ判定がある。つまり小から投げを「ガードも回避も不能の連続攻撃」に出来る。 投げを完全なるコンボのパーツとして組み込めるゲームは珍しい。 相手を投げ飛ばす方向を選べない。 全キャラ共通で投げコマンドが前進方向+大Pになっているせい。後退方向や大Kでも投げられたら良かったのだが。 自分の飛び道具が残っている間は飛び道具を撃てないのは格ゲーでは普通のことだが、本作は飛び道具以外の必殺技も発動出来なくなってしまう不思議なシステムがある。 ダウンから起き上がる時、ニュートラルポーズになるまでは、小技などの一部の技に対してガード出来ない無防備な状態になっている。 ニュートラルポーズを経由する必要があるので、直接しゃがみやジャンプをすることは絶対に出来ない。ゆえに下段ガードやジャンプ回避が出来ない。 ガードの仕組みが摩訶不思議で混乱をさけられない。 ガードに移行する引き金となった技の動作が終了しなければ、ガードを解除することができない。 相手がなにかの技を出す→ガード状態になる→ガードもしくは空振りする→技の動作が終わっていない→ガード状態のまま動けない→技の動作が終わったと同時にガードが解ける。 逆に攻撃判定が残っていても相手の動作が終了していればガードが解ける。要するにガード不能技がある。 ガード開始から一定時間経過で一瞬ガードが解除される。しかも「ガード不可能になっているのであって、ガード動作自体を解除したわけではないから、ガード動作を完全解除して自由に動くことは出来ない」状態である。そのため出が遅い技の開始時にガードすると、何ひとつ行動できずに、攻撃判定出現の瞬間にガードが解けて喰らってしまう。ガード成功でガード能力有りの時間が延長されることもないので、小連打キャンセルをガード出来ずに喰らいまくる。 各技にはガード移行可能な間合いが設定されている。ガード移行可能距離より、攻撃判定のリーチの方が長いとガード出来ずに喰らってしまう。 攻撃判定出現がとても早い技を接近した状態で使われるとガードモーションへの移行が間に合わず、なすすべもなく喰らってしまう。 全キャラのほとんどの技が上記の「技動作終了でガード不能」、「技開始時にガードで途中解除」、「遠距離で技開始でガード移行不可能」、「近接でガードが間に合わない」の性質を持っている。 立ちガード状態だとしゃがみガードへの変更が不可能。逆も言える。 相手に背を向けている時のガードの成否は、また別なものとなっている。 ガードの入力は「相手の反対方向にキー入力」ではなく「自キャラの向きと反対方向にキー入力」である。 下段判定になっている技が非常に少なく、足払いですら立ちガードできてしまう。 どうやらキャラによって上段と下段の食らい判定が異なっているようだ。 必殺技コマンドの説明が「右向き時の場合」であるのは他のゲームも同じだが、本作は「本当に右向き時の場合の入力」である。 他のゲームは「キャラの向き」は無関係で、実際は「相手キャラの位置より左にいる場合であって、キャラの向きが左右どちらでも何の関係もない」である。本作は正真正銘「キャラが右を向いている」となっている。 一歩進むという歩行モーションを完了するたびに一瞬立ち止まる。そのせいで歩行動作中の速度と比べて、実際の移動速度が遅く、クネクネしたキャラグラフィックにカクカクが追加される弊害にも。 歩く動作を完了させなければ立ち止まらないかも、と期待してもムダで、小刻みに動いても一瞬立ち止まってしまう。 どういうつもりか、ほとんどのキャラが前進より後退のほうが速いミステリー仕様。 ここまでで悟った人もいるだろうが、モーションが完全に終わるまでは操作不能になるものばかり=動きがもっさりしていて、操作性もゲームテンポも非常に悪い。 ACSの項目が、攻撃がパンチとキックに細分化、投げ技が追加されて合計8つ。持ちポイントは難易度により15~30に変化(対戦モード時は30で固定)し、15まで割り振れるようになった。しかし1ポイントごとの強化は大したことがなく、ポイント配分のバランスも悪い。 『場外乱闘』では合計6つ、1ポイントごとに約1.08倍に強化、最高で5ポイント、持ちポイントは10~20となっている。むだに種類が増え、相対的にポイントが減少したのに、効果が薄くなっている。 説明書ではパンチ、キック、投げ技が「攻撃力を高くします」と全く同じの投げやりな説明文となっている。 ゲームバランス 飛び道具系必殺技の出が遅すぎる。発射に数秒かかる。 「ボイスに合わせた、アニメを見ているかのような丁寧な演出」と言えば聞こえはいいが、テンポ感が重視される格闘ゲームにおいてがテンポを阻害するだけの要素でしかない。 大で発動するとさらに隙が酷くなる。だが大でないとダウンさせられないものもあり、小で撃つ価値がなければ大で撃つしかない。そこまでするほど大に価値があるかは疑問だが……。 弾の判定や軌道に個性があるが、それを利用した戦術を考える余地のないほど隙がある。 実は弾だけでなく、体(にまとったエネルギーやかざした武器)自体にも攻撃判定がある。弾の発射前後でも命中させられる。一部は連続ヒットもさせられる。しかしそれで隙を補えているかと聞かれると……。 しゃがんだだけであっさり回避できたりするほど簡単にガードや回避が出来るが、操作性が悪いので甘くみているとガードや回避に失敗することもある。 アニメでは必殺技が遅い設定は無い。そうでなければ敵の攻撃がすんでのことで命中する時に必殺技を開始してギリギリ間に合う説明がつかない。 超必殺技は通常の飛び道具よりも隙がある。キャラの組み合わせによっては、画面端で発動させたのに、画面端にいる相手が接近してきて、何もできずに超必殺技をつぶされてしまうほどである。使い物にならない。 そのかわりに威力が高い。それもACSの力を借りずとも約半分の体力を奪ってしまう壊れた威力である。 ガードさせればいい方だが、削り量はかなり少ない。 ガードの仕組みが特殊なので、近すぎていたり、逆に遠すぎるとガード出来ずに直撃する。 超必殺技は飛び道具ばかりで面白みに欠ける。 飛び道具属性ではない体術の必殺技もあるが、多くは飛び道具よりはマシ程度の性能。 全体的に通常技のリーチが短い。武器を持ったプルートとサターンですら何の冗談かと疑うほど短い。 ヴィーナスの遠立大Pはチェーンによる攻撃でリーチがトップクラスなのだが、そんな技でも画面全体で考えると短いとしか言えない。 しゃがみ技は立ち技よりもリーチが短いものが多く、しゃがみ動作が完了するまで行動不能になるのも相まって、大足等の一部の技しか使い道が無い。 対空技の判定が真上にしかないものが多く、少し遠くからの飛び込み技を迎撃出来ないことがしょっちゅうある。 「相手が空中にいると勝手に変化する大P」の中には真横にしか判定がないものがある。対空として活用出来ない対空技とは何なのか。 空中戦の意義が薄い。 空中技は小なら動作が素早いが攻撃がすぐに終わって威力が低く、大なら持続が長くて威力が高いが動作が遅い。ここまでは妥当な設定だが、飛び込みコンボが不可能であっては空中被ダメ→ダウン→起き攻めによるハメの危険を無視出来るほどの利点は少ないとしかいえず、飛び道具等の隙を突いて一発当てる、という使い方しか望めない。 いくら対空技が使いにくくとも、飛び込みコンボを警戒する必要は無い。あえて攻撃せずに飛び込んでガードを固めた相手を投げるいわゆる空ジャンプ戦法も「着地モーション完了まで身動き出来ない」という仕様によって役立たず。他のゲームでは基本の「地上の対空技が弱ければ、空中技で迎撃すればいい」は、ジャンプ直後に技を出せないシステムの本作には当てはまらない。よって確実に迎撃できる状況でなければガードで安定してしまう。 J技が終了したら再び技を出せるシステムだが、それを活かせる状況はまずない。 前述で軽く触れていたが、モーションが終了するまでの間は移動も技もガードもできない無防備な状態になっているものだらけ。そして起き上がり時にガード不可能な技の中には転倒効果付きのものがある。つまり起き上がりに転ばせる技を重ねるだけで、脱出不可能な、完全なるハメが成立する。そしてハメ技は全キャラが持っている。 格闘ゲーム界の『デスクリムゾン』と呼ばれる有名クソゲー『THE MASTERS FIGHTER』でも採用されているが、本作のほうが先取りしている。 あちらはタイミングがシビアなのだが、本作は「振り向き動作が完了するまでに攻撃を食らった場合は、振り向く前の方向に戻された上に振り向き動作をはじめからやり直さなければいけない」システムなので、一部のキャラのハメはとっても簡単にできる。 理論上は「振り向き動作中の完全無防備な瞬間に大足を当てる」でどのキャラでも大足ハメが成立するが、振り向き開始と同時に大足を開始して、振り向き終了より先に大足を当てるのは困難か不可能。 無抵抗の相手を延々と、いや、永遠にハメられるのは格闘ゲームとしてバランスが壊れていると言わざるをえない。 「全員がハメ技持ちなら、不利な相手でも終わらずに済むから、逆にバランスがとれている」と考えることもでき、実際に『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』がそのバランスであるとされているが、本作では通用しない。何故なら通常技のけん制力に欠け、情けない性能の必殺技しかなく、移動能力も起き上がり速度もダメなちびムーンがあまりにも弱いからである。 セーラー戦士達の特徴及び問題点 + 長いので折り畳んでいます 月野うさぎ(スーパーセーラームーン) 通常技が使いやすく、起き上がりが早い。「ムーン・ティアラ・アクション」は飛び道具としては高性能だが役立つかは何とも言えない。「ムーン・スパイラル・ハート・アタック」は存在意義が不明なほど隙だらけ。「お願い!銀水晶!!」は飛び道具属性の対空かつ無敵技だが、横への判定が狭すぎる。超必殺技の「ムーン・ゴージャス・メディテイション」は驚愕の隙がある代わりに威力が高くて謎の無敵時間を持つ。 ハメ技は大足。ただし通常はヴィーナスにしか通用しない。しかし画面端を背にして、投げで相手を画面端に飛ばして、後方から大足で全キャラをハメられる。そのかわりガード不可能及び大足が連続で当たって二段目がガード不可能になる間合いはシビアで、大足の先端がギリギリ当たるようにする必要がある。 ちびうさ(スーパーセーラーちびムーン) 最弱キャラ。通常技の判定が狭すぎて差し合いが非常に不利で、長所の食らい判定の狭さのみではいかんともしがたい。他のゲームのチビキャラと違って移動性能も劣悪。起き上がりが遅いのも厳しい。「ピンクシュガー・ハート・アタック」も「ルナPアタック」も意味不明性能。空中必殺技の「スウィンギング・マシュマロ」は空中技で跳ね返るシステムと空中で静止して「スウィンギング」とゆっくり言い終えてから攻撃する物理法則無視かつ無駄な演出のせいで使わない方がまだマシなレベル。超必殺技の「トゥインクル・エール」は高威力+ガード不能+追尾性能だが、相手が前進したり、早めにバックステップするとガードか回避され、発動の遅さを狙われる危険もある。小足を連発された瞬間に、何も出来ずに敗色濃厚という凄まじいキャラ。 ハメ技である大足がスライディングなのでこれさえ当たってくれれば勝ち目を見いだせるかもしれない。だが、相手にめり込んで左右の位置が入れ替わり、しゃがみ状態での振り向きの遅さとスライディングのリーチの問題でハメられなかったり、それを回避するための「しゃがみから立ち動作→振り向き動作→しゃがみ動作」も遅かったり、正面からでも歩行の遅さで起き攻めが間に合わなかったり、そもそも小足連発の壁に大足を阻まれたり……。なおサターンには不安定(フレーム単位で上段と下段が変化するのか、他に条件があるのかは不明。)で、ちびムーンとプルートに対しては大足ハメが効かないが、ちびムーンには近小K→投げハメが有効。 水野亜美(セーラーマーキュリー) 全体的に小のリーチが短く、けん制は大振りな大がメインになるが、大足は判定も動作も優れている。移動と起き上がり速度も優秀。シャボン・スプレーは使い道があるか怪しい。「シャイン・アクア・イリュージョン」は判定の広さとダウン性質があるが、隙が大きい。「リバース・ブレイク・ステップ」は移動技かつ接近して出せばガード不能というネタがあるが魅せ技の域を出ない。「マーキュリー・アクア・ラプソディー」は使えない超必殺技。 画面端に追い詰めて小イリュージョンの発動及び発射直後を当てるのがハメ技で、全キャラに有効。威力が高いのでハメ殺すまでに時間はかからないが、何回もタイミングよく発動するのは難しいか。 火野レイ(セーラーマーズ) 通常技のリーチが長く、JPはお札を投げる技なのでリーチがある。起き上がり速度に問題あり。必殺技は全てダウン効果を持つ。「ファイヤー・ソウル」はしゃがみで回避されるのが辛い。弾を何発も撃つ「バーニング・マンダラー」は発射さえ出来れば強い。「ファイヤー・ヒール・ドロップ」は隙が少なくてダウンを奪える、使い所がある貴重な必殺技のひとつ。「マーズ・フレイム・スナイパー」は判定が狭く、ちびムーン相手だと立っていても回避されておしまいという超必殺技。 画面端を背にして、逆に相手を端に投げ飛ばして、後ろから大足ハメできる。ガードされない間合い調節はムーンよりは易しい。また正面からでも、遠距離から(?)大足の二回目の判定(連続ヒットではなく、二回目に発生する攻撃判定。)を当てれば全キャラ(?)をハメられる。 木野まこと(セーラージュピター) 攻撃力が高く、投げの隙が小さくて起き攻めしやすく、起き上がりが早い。反面通常技が遅いものが多い。「シュープリーム・サンダー」と「スパークリング・ワイド・プレッシャー」はダウン性質を考慮しても使えない。「ジュピター・ダブル・アクセル」は移動かつ対空技だが活躍するかは不明。「ジュピター・オーク・エボリューション」は上下左右に弾を撃つが低威力で、バックステップであっけなく回避される悲しい超必殺技。 画面端に追い詰めて近小P(ちびムーンにはK)→投げでハメられる。ただしサターンには通用しないあるいは困難。大足がギリギリ届く間合いからなら全キャラに対して大足ハメ可能? 愛野美奈子(セーラーヴィーナス) 通常技の使い勝手は良くないが、遠立大PとJPのチェーンの判定がトップクラスの強さで、大足の性能も良好。対空屈大Pは攻撃判定が設定されていないと思われる(!)。起き上がりが遅い。全キャラでハメ耐性がワースト1なのが難点。「クレッセント・ビーム」はどこで使うべきか不明。「ヴィーナス・ラブ・ミー・チェーン」は飛び道具属性で無敵付きの対空技だが、横への判定はほとんど無い。「ヴィーナス・ウィンク・チェーン・ソード」は飛び道具性質で出が遅いが、後半の波動がガード不能。「ヴィーナス・ラブ・アンド・ビューティ・ショック」はごく普通の無用な超必殺技。 ムーン、マーキュリー、ジュピター、ヴィーナス、ウラヌスに対して正面から大足ハメが可能。ちびムーンは近小K→投げでハメられる(ネプチューンはムリか激ムズ。)。起き上がりに小ソード→チェーンをガード→ガード不能の波動が連続ヒットしながらヴィーナスに近づく→大足→小ソード~、のハメは不安定もしくは不可能。 冥王せつな(セーラープルート) どういう訳か武器の「ガーネット・ロッド」を使ったP技の多くがリーチが短い。対空立・屈大Pが横にしか判定が無くて理解に苦しむ。移動速度が速く、起き上がりが早い。サターンに次ぐハメられにくさを持つ。「デッド・スクリーム」はしゃがみで回避されない分、他の飛び道具より恵まれている部類か。「アクション・スピンスター」の使い道は特に無い。超必殺技の「クロノス・タイフーン」は上下判定が広いので、発動さえすれば高性能だが……。 プルートとサターン以外に近小K→投げハメ可能で、難易度が低くてやりやすい。 海王みちる(セーラーネプチューン) 技のリーチが短いものの動作の早さは優秀で、特に大足の早さはトップ。通常技と違って、起き上がり動作は長い。「ディープ・サブマージ」は見た目より判定が狭い役立たず飛び道具で、たったちびムーンに当たらずに接近され、大足でハメられてしまう。「スプラッシュ・エッジ」は一瞬無敵になる対空技で使い道のある必殺技だが、攻撃中にもかかわらず地上技で叩き落されてハメられる危険が常に付きまとう。「サブマリン・リフレクション」は弾の出現から発射までに無駄に時間がかかる、どうでもいいただの超必殺技。 後ろに投げて画面端に追い詰めて、背後から大足ハメできる。難易度はマーズと同程度。さらにマーズと同じ理由なのかは不明だが、正面からでも全キャラに対して大足ハメが成立する可能性がある。 天王はるか(セーラーウラヌス) 最強キャラ。通常技のリーチも動作も優秀。大足のスライディングはちびムーンと同じく上段下段の判定が安定しないが、ちびムーンより高性能。攻撃力が高い。移動が素早い。投げの隙が小さく、大足ハメや投げハメに移行できるほど投げ飛ばし距離が短く、相手は背を向けるのでハメ維持も簡単。弱点は起き上がりが遅く、ヴィーナスに次ぐハメ耐性の無さくらい。「ワールド・シェイキング」は存在理由皆無の飛び道具。「ウラヌス・ワールド・アタック」は判定が広い、長い移動距離、高威力、ガードされても多段ヒットで削れる、隙が小さい、大でダウン、反撃されても地上食らい判定になりやすい、一方的に負けることが少なくて大体相打ちになる、変なガードシステムのおかげで空振りしても強制ガード+ガード不能の高性能技。一方的に負けてダウンすることもあるので下手したらハメ殺されるが……。「スペース・ソード・ブラスター」は超低性能な超必殺技で、遠近問わずガード不能効果が全く無くて使ったら後悔する。 ムーン、マーキュリー、ジュピター、ヴィーナス、ウラヌスに対して大足ハメが有効。ちびムーンには近小K→投げのハメが有効で、マーズ、プルート、ネプチューンにもギリギリでハメられる。 土萠ほたる(セーラーサターン) 武器のサイレンス・グレイブの存在感が全く無いリーチの短いP技の数々。遠小Pが距離によっては攻撃判定出現時間の長さから2ヒットするが、だからなんだというレベルである。近立大Kはハイキックからの回し蹴りの二段だが、ちびムーン以外には食らいモーション終了直前の無敵のせいで必ず二段目が空振りして反撃確定になる体たらく。移動が遅ければ、起き上がりも遅い。ガード動作時と違って、食らい動作時に投げられ判定が無いか狭すぎる可能性があり、そのおかげで投げハメを回避できる。「デス・リボーン・レボリューション」は飛び道具性質だが弾を発射せず、さらには体の攻撃判定が狭すぎて、相手が密着して技を出してくれて食らい判定を広げて貰わないと絶対に当たらない。「サイレンス・ウォール」は一定時間自分の周囲に飛び道具性質のバリアを張り、上手くやればバリアからの地上技がコンボになる。しかしマーキュリーの大足などのリーチが長い技で一方的に攻撃されてしまう。必殺技に発射系飛び道具を持たない代わりか「サイレンス・グレイブ・サプライズ」は超必殺技の中でトップの発射速度を持つので、何とか当たるチャンスが見つかるかもしれない。 画面端に追い詰めて小レボリューションでハメが可能。マーキュリーの小イリュージョンハメと同じくタイミングを合わせるのは難しくて、相手によっては成立しない?その場合でも、画面端に追い詰めて投げたあと、後ろから大足あるいは近小Pからの投げあるいは小レボリューションで全キャラをハメてしまえる。ただし難易度は高いほうか。 「ウラヌス>他のキャラ(あえて言えばウラヌスに唯一ハメられず、逆にハメてしまえるサターンが準強キャラ)>ちびムーン」と言えば悪い印象はないかもしれないが、キャラ格差は小さくない。 結局本作は「劣悪な操作性に苦しみ、必殺技はほとんど使わず、超必殺技での一発逆転を望むことすら叶わず、危険な空中技は極力控え、不安定なガードにおびえながら、使いにくい通常技の中から限られたマシな性能の技で地味な地上戦をして、どちらかがダウンしたらハメに入って、さっきまでの地道な差し合いがどこ吹く風の一方的で単調で退屈な展開になる」に集約される。 CPUは起き上がりに大足を絶対にガードしない。簡単にハメ殺せてしまう。 通常の攻略ではもちろん、リアルタイムアタックを目指す時にも重要となる。だが終始代わり映えしない単調なプレイで、ネタプレイにすらならない。 CPUは基本的に弱いが、一部の思考が凶悪。 意味なく技を空振りしまくるのだが、接近してこちらが何か技を出そうとすると有無を言わさず投げてくる。 プルートは平然と投げハメをしてくる。 一部のキャラの思考は共通しているようで、延々と大足を繰り返すシュールなパターンが用意されている。 大足連発の優先順位は高くないので、こちらから手を出せばすぐに解除するのだが、油断するとちびムーンのスライディングでハメ殺される。 説明書には難易度によってCPUの強さが変わると書かれているが、難易度を変えてもCPUの強さが全然変化しない。 難易度による変化は、ACSの持ちポイントのみとなっている。 ACSで設定するハンデとなるおちゃめの効果がハンデになりすぎている。 15まで上げると発動確率が尋常ではなくなり、発動タイミングが「ジャンプの着地直後に再びジャンプしないでいる」「歩行しようとした瞬間」というように『場外乱闘』よりも増えている。何とニュートラルだと時間経過でも発動してしまう。 おちゃめポーズに攻撃判定があるが頼りになるはずもなく、プレイヤーの腕にあまりにも実力差がなければ勝負にならない程のハンデ。 しゃがみ状態を維持すればおちゃめが起きないので、強力なスライディングが出来るウラヌスなら勝算がある。 その他の問題点 説明書周りの不備 説明書の技コマンド表はおろか操作方法解説ページにさえガード方法を記述していない。 超必殺技の使用可能条件を説明していない。 格闘ゲームで技等を隠すのはよくあることだが、コマンド表に超必殺技を載せているので、格闘ゲームになじみがない少女は初見では困惑するかも。 説明書の技コマンド表に「オートモードではパンチボタンで発動」と書いてあるが、キックボタンでも発動する。 説明書のマーキュリーのリバース・ブレイク・ステップのコマンドが間違っている。 説明書のキャラ紹介でプルートだけ守護星の解説が抜け落ちている。 説明書のストーリー紹介でいきなりちびうさを「チビうさ」と間違えていたり、説明書の各キャラの声優紹介で、アルテミスが「アルテミナス」になっていたりと誤植が多い。もはやナメてるとしか思えない。 ロードが数秒間もかかる長さな上に頻繁に行われる。 例えば電源ONからオプション設定し、タイトル画面に戻る一連の動作で、OPムービー→読み込み→タイトル画面→オプション→読み込み→戻る→読み込み→タイトル画面、ということになる。 バトルの前後の読み込みも頻繁。試合前のボイス→読み込み→試合終了→読み込み→勝敗ボイス→読み込み→試合前のボイス、こんな感じになっている。 ロード中はルナPが表示される。BGMが一切流れない無音、黒い背景、濃い陰影+生気のない瞳でこちらを見つめる無表情のルナPが数秒間も映し出されるのは軽いホラーである。 練習モードで、2P側のコントローラでポーズしても2Pキャラの必殺技コマンド表を確認出来ない。 『場外乱闘』ではきちんと確認できたのだが……。 ストーリーモードで外部戦士が使用出来ない。 『場外乱闘』と同じく、後半に外部戦士達が飛び入り参加する展開上仕方ないことではある。 ウラヌスが「主役のポジションに興味がある」と発言する。なら使わせてよ、と思う人は多いだろう。 対戦モードなら、対人でも対CPUでも外部戦士を使用できる。当然練習モードでも使用可能。 ラスボスは星ひとつ破壊する力を秘めたサターンではなく、ウラヌスである。 『場外乱闘』でも外部三戦士のリーダー格のウラヌスがラスボスであったが、サターンを差し置いてまでラスボスにするべきなのか? ムービーの内部と外部の戦士たちの必殺技演出ではサターンがトリだが……。 ACSで強化した能力を、キャライラストの頭上にある、赤色の四角い物体の長短で表しているのだが、ただでさえ伸びた部分が何の項目と対応しているか一切説明されていないのに、ムダにグルングルン3D回転していて訳が分からない。 カメラワークが遅く、キャラの動きに反応しにくい。 ステージの中央で戦っているのに、ステージの端をずっと映しつづける光景は珍しくない。 ボイス面の問題 気が抜けるもしくは動作と合わないほど熱のこもったボイスが多い。 「ホイッ!」、「たぁ~」、「わーい(棒読み)」といったやる気が感じられないボイスで全身脱力してしまう。大げさな断末魔や『北斗の拳』のように叫びながらちょびっとだけしか動かないウラヌスのスライディングボイスは失笑モノである。 試合前後のボイスは、無意味に小声なものが多い。 特に外部戦士はボソボソ喋ることが多く、聞き取るにはテレビの音量を上げなければいけない。 ボイスをスキップできない。 第二ラウンド以降もタキシード仮面たち審判の試合開始のボイスが流れるほどボイスが頻繁にある上に、長いセリフだらけになっている。 キャラクター同士が密着状態になっている時のおかしな挙動 密着状態で前進し続けるとキャラがめり込んで急に左右の位置が入れ替わる現象が起きる。 密着してお互いに前進すると、キャラの歩行速度に関係なく1Pキャラが2Pキャラをグイグイと押し込んでいく。 相手がしゃがんでいると、密着して前進してもお互いに位置が全く変わらない。 画-面端付近で密着していると画面中央側のキャラが何故か前方ジャンプ出来ない。 投げによるKOで負けポーズをとらないバグがある。 確認できているのは、マーキュリー、ネプチューンの投げでムーンをKO。ジュピター、ネプチューンの投げでちびムーンをKO。 キャライラストの画力が今一つ。 キャライラストのムーンの顔が離れ目になっていたり、ムーンとマーズの怒り顔が無表情時との変化に乏しく不自然に見えたり、勝利イラストの向きが1P2Pとも同じ向きになるバグや、勝利ボイスとイラストが噛み合っていないなどの不整合もある。 ステージセレクトが不便。画面上部に各ステージが表示されているが、そこに何を選択しているかのカーソルは表示されず、現在選択中のステージは画面中央に表示される。 これの何が不便かというと、画面中央を見て選択中のステージを確認してから、画面上部の各ステージの位置関係を確認しないと、満足にステージ選択することができない。 なおステージ選択の初期位置は一番左上にあるウラヌスステージ。普通は主人公のステージが初期位置だが……。 評価点 見た目と実際の攻撃、食らい、投げられ、存在判定の差がほとんど無い。モーションに合わせて、驚くほど細かく設定されている。 だからこそ問題のあるキャラと技が存在するのだが、大幅な差があるゲームよりは良心的。 必殺技と超必殺技の簡易コマンドがある。 だが必殺技に依存しない戦いが求められる本作では少し嬉しい程度に留まる。 マーキュリーやサターンでハメをするつもりなら大変ありがたい。 キャラのセリフは面白く出来上がっていて、ボイスも引き分け試合やコンティニュー時間カウントをはじめとして豊富に用意されている。 ジュピターの決めゼリフ「しびれるくらい、後悔させるよ!」が聴けるレアな作品である。 アニメ『S』では、デス・バスターズ幹部ウィッチーズ5のシプリン プチロル戦の時のたった一回しか言わなかった。 他の内部戦士と同じく一般公募から選ばれた決めゼリフだが、他の戦士は何回も言っている。 必殺技の演出は上出来で、効果音もアニメを忠実に再現している。超必殺技は背景も凝ったものに変化し、十分に評価できる水準に達している。オリジナルの体術もそれなりにさまになっている。 サターンの「デス・リボーン・レボリューション」と「サイレンス・グレイブ・サプライズ」の立ち位置が逆転しているが、これはサターンのバトルポジションが特殊すぎて原作・アニメ・他のゲームで必殺技の描き方が見事にバラバラなので仕方ないところか。 サターンは戦闘の最終手段となりうる技を持つ設定からか戦闘描写が少ない。原作はデス・バスターズ編のラスボス戦から参戦して世界を滅ぼしてしまうレボリューションを使用し、次のデッド・ムーン編で通常の攻撃技としてサプライズを使用。アニメは『S』(デスバスターズ編)のラスボス戦で参戦したが詳しい戦闘描写はなく、本作発売の翌日から放送開始した『セーラースターズ』前半の「ネヘレニア復活編」のラスボス戦で「レボリューションの効果で、サプライズの名称の必殺技」を使用した。 なお防御技の名称は原作と同じく「サイレンス・ウォール」だが、後にアニメで使用した時は「サイレント・ウォール」に名称変更されている。 「ムーンが幻の銀水晶を発動しているのに死亡しないのはおかしい」という声があるが、銀水晶の設定は原作とアニメで違っていて、死亡には条件があるので不自然ではない。 クリア後にキャラに応じてタイトル画面の題名、シルエット、星、スティック、ボイスが変化する。こだわりの演出は素直に嬉しいところ。 『美少女戦士セーラーマーズSuperS』のボイス「おねがぁい」は可愛らしくて色気がある。 BGMの出来は素晴らしい。世界観に溶け込んでいる。 ムービー中に流れる、アニメでおなじみのOPソング『ムーンライト伝説』もアレンジされていて、ムービーをスキップせずに聴いているだけでも十分『セラムン』を楽しめる。 総評 結論とすれば「流行りに乗ればいい」というモノではない。ゲーム面で見れば適当に作ったとしか考えられないシステムとバランス、長くて頻繁なロードといった、格ゲーというかゲームとしてダメな部分が散見され、キャラゲーとしてみれば3DO版のセル画表現をわざわざ捨ててまで3Dに走った結果、奇妙なグラフィックとムービーがプレイヤーを萎えさせる。 到底クソゲーとしか言い表せない出来に終始しているのでは、通常のセラムンファンにも一般的な格ゲーファンにも到底受け入れられないだろう。 当たり前の話だが、どんなに豪華な素材であっても有りと有らゆる部分と技術が整わなければ駄目なものは駄目である。 その後の展開 本作発売から3週間後にスーパーファミコンで『場外乱闘』のマイナーチェンジ作『美少女戦士セーラームーンSuperS 全員参加!!主役争奪戦』が発売された。軽視できない問題点こそあれど駄作ではないので、サターンを操作したい人はこちらをオススメする。 本作発売から6ヶ月後、セガサターンで本作のマイナーチェンジ移植作の『美少女戦士セーラームーン SuperS - Various Emotion』が発売された。 購入者特典として、本作で使用されたOVAのセル画が抽選で当たるキャンペーンが開催された。 ゲームシステムに変更があり、フロントステップ追加、ガード方法が方向キー入力式からボタン式に変更、キャラの動作が全体的に速くなった、ジャンプ技を当てても跳ね返らなくなった、KO時のスローモーションがなくなった等の変更により、展開がややスピーディー化して格闘ゲームとしての爽快感は多少なれど上がっている。外部戦士に新技追加、必殺技の性能変化などもある。また、ちびムーンのサイズが異常にデカくなり、キャラセレクト時のイラストもPS版のものから長さだけ伸ばしたので、違和感を禁じ得ない。 システム自体にテコ入れが加わった一方で、ゲームバランスがPS版よりさらに悪化している点もあり、超必殺技の攻撃判定の拡大+威力がACS無補正でも即死させるほどに強化+発生時に時間停止が追加されて極悪非道技と化した。相変わらず完全ハメも存在する。 演出面では、テキストのみでボイスが無かった部分がアニメーションになった、一部のキャライラストの描き直し、キャラ選択画面等の背景とBGMの変更、ステージの一新、試合前後のイラストでボイスに合わせて表情が変わるといった演出の強化が行われた。最大の評価点はオマケモードでテレビアニメでは存在しなかったサターンの変身シーンが見られるところ(*1)(*2)。 逆に劣化した点は、ムービーの画質が劣化、試合中のボイスの音質の劣化、ロード画面のルナPの削除など。『セラムンS』と同様にクリア後に裏技コマンドが表示され、画面の構図も同じだが、本作ではボイスがなくなっている。またロードの長さと頻度の問題は未解決である。 余談 『セーラームーン』の格ゲー化について、「少女漫画を格ゲーにするの?」「仲間同士で戦うの?」「脇役達は主役になりたがるようなキャラ設定なの?」「女の子に需要があるの?」というツッコミがされることがあるが、それには発売当時の時代背景が影響している。 本作発売当時の90年代は『ストリートファイターII』を発端として格ゲーが社会現象になっていた時代であり(*3)、バトル要素がある作品は格ゲー化されまくっていた。セーラームーンが格ゲー化されたのもある意味必然であり、この作品以前にもベルトスクロールアクションなどが作られている。 本作のムービーで主題歌の「ムーンライト伝説」が流れるのだが別人によるカバーであり、「原作者の武内直子氏が歌っている」説がある。 原作者ではない別人説もあるが、どちらにしても確証がないため、真相は藪の中である(*4)。 エンディングのスタッフロールでは歌手名のみ「?」と表記されている。なおSS版では歌手の欄そのものが記載されていない。 ゲームに限らず「一人ずつ登場する演出」は仲間入りした順であるのが普通だが、ムービーではマーキュリーよりマーズが先に登場している。ただしこれは本作に限った話ではなく、作品を見ていればマーズが目立つ理由は何となく分かるだろう(*5)。 外部戦士はプルートが最も早く登場したがレギュラー化は遅くて、ウラヌスがサターンを除いた外部三戦士のリーダーポジションで出番も多かった。 ムービーを制作したのは漫画家の岸虎次郎氏で、本人がtwitterで当時の状況を語っている。 『セーラームーン』シリーズのCGムービーとしては、後年にリメイク版アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』にて変身バンクに採用され、さらにユニバーサル・スタジオ・ジャパンの立体映像シアター『ザ・ミラクル4-D』として製作されている。 しかし『Crystal』のバンクはファンから不評で、第3期から手書きのアニメに変更されている。東映アニメーションは『プリキュア』シリーズで美少女アニメキャラのCG製作ノウハウを培っており(*6)、本作とは比較するまでもなくハイクオリティな映像に仕上がっているが、『セーラームーン』においてCGムービーは一種の鬼門のようである。 + よくネタにされるOPムービー。熱意自体は伝わってくる http //www.nicovideo.jp/watch/sm2350788
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クイズ!! 美少女戦士セーラームーン~知力・体力・時の運~ 【くいず びしょうじょせんしせーらーむーん ちりょく たいりょく ときのうん】 ジャンル クイズ 対応機種 アーケード 販売元 バンプレスト 開発元 ガゼル 稼働開始日 1997年2月25日 プレイ人数 1人~2人 判定 良作 ポイント デフォルメされたキャラクター美麗なグラフィック攻略には根気が必要 美少女戦士セーラームーンシリーズリンク 概要 ストーリー ゲームシステム 評価点 問題点 総評 余談 概要 バンプレストから発売された『美少女戦士セーラームーン』のアーケード専用ゲーム第2弾。ジャンルはすごろくタイプのクイズゲーム。 タイトルは無印のままだが、アニメでは既に第5期にして最終章の『セーラースターズ』が放映されていた(終了していた)ため(*1)、同作に関する問題も収録されている。 全5ステージから任意のステージを選び、すごろくマップを進んでクイズをクリアしていく。全てのステージをクリアするとラストステージが出現し、ラスボスを倒すとエンディングとなる。 ストーリー セーラーサターンことほたるの父・土萠教授が再びセーラー戦士たちに勝負を挑んできた(*2)。 復活したダイモーンを倒すため、セーラー戦士たちは街や海底、ピラミッドなどを探索し、ダイモーンと戦いを繰り広げる。 ゲームシステム 操作は1レバー+4ボタン。 レバーは上下左右の順でA~Dボタンに対応している。クイズは4択式で各ボタンに対応。カーソル選択の際は1、2がカーソル移動、4が決定に対応する。 ゲーム開始時、コンティニュー時にはちびムーン、プルート、サターンを除いたメンバーから好きなキャラクターを選択できる。 すごろくマップ上では止まったマスに応じてダイモーンが登場、4択クイズで戦うことになる。 クイズ開始時、まれに仲間たちがサポート能力を発揮し、ノルマを減らしたり解答を教えてくれたりする。 素早く解答すると「即答ゲージ」が溜まっていき、最大になると必殺技が発動。ノルマを無視してクリアになる。 クイズをクリアすると4枚のカードから1枚を入れ替えることが出来、同じ柄のカードが4枚揃うと絵柄に応じたキャラクターが仲間になる。仲間になったキャラクターは前述の通りクイズの際に助けてくれる。すでに仲間になっているキャラクターの絵柄を揃えると、そのキャラクターの人形(後述)が貰える。また、仲間にした人数に応じたクリアボーナスも入る。 一度仲間になったキャラクターはゲームを終了しない限り最後まで一緒について来てくれる。 + 各キャラクターの能力 セーラームーン 答えを3択にしてくれる。 能力発動時、稀にタキシード仮面のボイスが入り2択にしてくれる事もある。 セーラーマーキュリー 正解と思われる答えを教えてくれる。が、間違っている場合もある。 セーラーマーズ 敵の特殊攻撃(タイムを減らす、ライフを吸い取るなど)を封じる。 セーラージュピター ライフをひとつ回復してくれる。 セーラーヴィーナス ノルマを減らしてくれる。 セーラーウラヌス ジャンル選択させてくれる。 セーラーネプチューン 解答時間の減少スピードを遅くしてくれる。 セーラーちびムーン プレイヤーキャラクターや仲間にはならないが、ランダムに登場してノルマを1減らしてくれる。たまに失敗することもある。 すごろくマップには様々なイベントが用意されており星型のマスに止まることで発生する。 タキシード仮面が登場し、先のマスまで進めてくれたり、ちびうさとほたるのお店で特殊効果のあるアイテムを貰ったりといった救済効果も多い。 マップ上にはたまに罠が設置されており別のマスでアイテムを取得することで回避できる。回避できなかった場合はちびうさとほたるの店に寄れなくなったりする。 仲間の人形を取得した場合、次のクイズでその仲間と同じサポート能力を必ず発揮してくれる。 ステージ中盤と最後にはボスキャラクターが登場。必ず戦わねばならない。 ボス戦では最後の1ノルマで間違えるとノルマが全回復してしまうペナルティが発動する。 その他、ダイモーンによっては間違えるとライフを吸い取ってノルマを回復してしまうなどの特殊ルールが発生する。 ラスボス戦では必殺技を含む一切のサポートがなくなるガチ勝負となる。 評価点 ACらしくグラフィックが非常に美麗。 ゲーム中のキャラクターはダイモーンを除いてデフォルメされているのだが、非常によく動く。必殺技アニメも小さいながら原作のバンクを再現しておりクオリティが高い。 ちなみに各種必殺技はダイモーンが登場した第3期『美少女戦士セーラームーンS』後半のものが採用されている。 リアル体形であるダイモーンや各ボスキャラクターの作画もレベルが高い。ボスとしてカオリナイトやウィッチーズ5といった原作の幹部キャラクターもしっかり登場する。 マップ上のちびキャラクターたちのパターンも多く、かわいく動いているのを見るだけでも楽しめる。ボイスも豊富で様々な場面で喋ってくれる。 サイコロを投げるだけでも、目の前に転がしたり、真上に投げて頭に当たったりと違ったパターンが用意されている。待機中の動作も非常にかわいい。 ステージの途中ではプレイヤーキャラクター以外のメンバーが休んでいたりするが、それぞれに個性があり楽しませてくれる。 前述の通りラスボス戦はガチ勝負なのだが、それを乗り越えると最後には必殺技で締めくくる、と熱い演出もある。 ボス戦でのノルマ回復など厳しそうに見えるが、正解していけばいつかは必殺技が発動するため、先へ進めずに詰むといった事もない。 ギリギリで必殺技が発動し、クリアできた時など爽快感もあり楽しい。慣れればボス戦で必殺技を使うため、わざと回答を遅らせてゲージを維持するといった戦略を取ることも出来る。 タキシード仮面やちびうさとほたるのお店で貰えるアイテムなどはどれも強力な効果で、救済は非常に多い。 問題点 前述の通り、マップ上に罠が設置されている場合があるが、回避する方法は基本運頼み。 アイテムの置いてあるマスに止まれなければ意味がないので回避が難しい。ただし、一定数先へ進めたりするので、ボーナスを気にしなければ有用な場合も。 長丁場になりやすい ステージ攻略は当然サイコロの出目に左右されるが、ステージ数も多めで場合によってはかなり長時間のプレイを強いられる事となる。 クイズの内容もやたらマニアックな問題があり、ハマると中々先へ進めない事も。 前述のように必殺技があるので、いつかは進めるようになってはいるが。 ちびムーン、プルート、サターンが使えないのは少々残念。 特にサターンはラスボスである土萠教授と最も因縁が深いキャラクターなので使いたかったところである。 総評 難易度はやや高めながら、原作愛にあふれたゲームデザイン、アニメーションなどが楽しませてくれる良作クイズゲームである。 内容や展開は非常に出来が良いのだが、セーラームーンブームも下火になっていた頃の制作であるだけに、残念ながら家庭用には移植されていない。しかし、現在でも稼働しているゲーセンが確認できる。 攻略には根気が必要だが、デフォルメされたキャラクターたちを見るだけでも楽しめるので、一度はコインを入れてみたい衝動にかられるだろう。 余談 本作をプレイステーションかセガサターンに家庭用移植する企画があったようだが、結局実現しなかった。 1997年2月にアニメ版が終了して以降、関連作品も一気に少なくなっているので、ゲーム出来とは関係なくブームの下火が原因なのかもしれない。
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ガールズ パンツァー ドリームタンクマッチ 【がーるずあんどぱんつぁー どりーむたんくまっち】 ガールズ パンツァー ドリームタンクマッチDX 【がーるずあんどぱんつぁー どりーむたんくまっちでらっくす】 ジャンル 戦車アクション 対応機種 無印 PlayStation 4DX Nintendo Switch 発売元 バンダイナムコエンターテインメント 開発元 ナツメアタリ 発売日 無印 2018年2月22日DX 2019年2月21日 定価 7,600円(税抜) プレイ人数 1〜10人 セーブデータ 1個 レーティング CERO A(全年齢対象)(*1) 判定 良作 ポイント 戦車道、極めました!あらゆるシステム面が大きく進化原作視聴済みのファン向き ガールズ パンツァーシリーズ戦車道、極めます! / ドリームタンクマッチ 概要 ゲームモード システム 評価点 問題点 総評 概要 アニメ『ガールズ パンツァー』のゲーム化作品のひとつで、家庭用機向けとしては『戦車道、極めます!』に続く第2弾となる。 OVA『最終章』の展開を控えたタイミングで発売され、基本的に2015年公開の『劇場版』までの内容をもとにしているが、BC自由学園が登場するなど一部『最終章』の内容も反映している。 無印版が2018年にPS4で発売されたのち、追加要素を収録した『DX』が翌年にSwitchで発売。無印版では有料DLCという形で追加要素が配信された。 ゲームモード 感想戦モード 『劇場版』の後日談として、感想戦を行うという設定で同作を再現したミッションをプレイしていくモード。 各ミッションにつき1話が割り当てられており、ミッションの無い回も含めて全21話構成。各話では、フルボイスのプロローグが流れたのち試合に入る。 ミッションには「相手の殲滅」「特定時間の防衛」などいくつかの種類があり、クリアすると次の話数に進めるようになる。一部を除き、ミッションはその試合を戦った双方の視点から選んでプレイできるが、一つでもクリアすれば次に進める。 ミッションをクリアすると、試合内容に応じてポイントが手に入り、累計獲得ポイントによりプレイヤーレベルが上がっていく。これは他のモードでも同様。 争奪戦モード プレゼントを懸けた雑誌企画の勝ち抜き戦を行うという設定で、5回連続して試合をプレイするモード。最終戦に勝利した際の一枚絵が最終目標となる。 一度でも負けてしまうとゲームオーバー。 作中の各校ごとに全9エピソードがあり、クリア状況はそれぞれに記録される。 戦車道祭 トーナメント戦形式で試合を勝ち進み、優勝を目指すモード。無印版では有料DLC。 開始前に「操作者」(プレイヤーキャラ)と「仲間」およびそれぞれの戦車を選んで戦う。はじめはこのペアでの戦いとなるが、試合に勝つと相手方から仲間と戦車を1つずつ引き抜くことができ、進めるごとに対決人数が増えていく。 一度でも負けてしまうとゲームオーバー。 エクストラマッチ 「感想戦モード」のようなミッションを集めたモード。基本的にストーリーはないが、一部に簡易な掛け合いが挟まれるものもある。 フリーマッチ ステージや敵・味方のキャラクター・戦車、ルール等を自由に設定して試合ができるモード。 オンラインマッチ(『DX』では通信プレイ) その名の通りオンラインの協力・対戦プレイができるモード。特定のシチュエーションによる試合を楽しめるものや自らルールを設定できるものなど、複数のマッチングタイプが用意されている。 オンライン対戦での勝率により、プレイヤーレベルとは別に「クラス」が上がっていく。 『DX』ではローカル通信による対戦も可能となっているが、オンライン対戦とは異なり同時プレイは最大8人まで。 戦車倉庫 手持ちの戦車の乗員や見た目などを変更できる。また、カスタマイズした戦車を各マップでテストドライブすることが可能。 各種設定 BGM・SE・ボイス音量やカメラ操作の設定などができる。 システム 試合は、最大で5対5の戦車同士の戦いである。必ず赤・青の2チームどちらかに分かれての参加となり、3チーム以上になることはない。 どのルールでも、砲撃を相手戦車に当ててHPを0にし、撃破することが主目的となる。撃破された戦車は行動不能となり、プレイヤーが撃破された場合は通信プレイ時を除いてその時点でゲームオーバーとなる。 ルールには、相手の戦車を全て撃破すれば勝利となる「殲滅戦」と、1台のフラッグ車を撃破すれば勝利となる「フラッグ戦」がある。 戦車のステータスは、各車両のデフォルト値のほかに「乗員」が持つ効果によって決まる。 乗員は3〜6人(戦車ごと異なる)を選択でき、うち1人は試合中に3Dモデルで登場する「車長」となる。作中で関係を持つ他の乗員と同乗させると「コンビネーション」が発生し、ステータスの上昇値が上がる。 また、ステータスには影響を与えないが、偽装工作や戦車の機能強化などの効果が得られる「支援カード」を乗員とは別に設定でき、試合中に任意のタイミングでカードスキルを使用できる。 コンビネーションが発生する組み合わせは原作での同じチームや姉妹、親友等の分かりやすいものから、ドラマCDやイラストストーリー等の公式媒体での絡みから採用されたりと、膨大な数にのぼる。 このほかプレイに直接関係ない要素として戦車のカラーとデカール(装飾)も選択できる。乗員・支援カード・デカールは、いずれも感想戦モードやエクストラマッチのミッションクリアで追加されていくほか、一部DLCとして入手できる。 試合では後方視点と主観視点を切り替えながら移動と照準合わせを行い、砲撃を当てていく。砲撃後の再装填(リロード)は自動で行われるが、指定のタイミングで砲撃ボタンを押すことで大幅に早くリロードすることもできる(クイックリロード)。 試合開始時点では敵の場所は分からないため、マップを回って敵を探す。敵を発見するとその場所がマップに表示され、照準のロックオンが可能となるが、一定時間視界から離れると再度発見するまでマップからは消える。 砲撃によるダメージは命中した場所によって異なり、戦車ごとに設定されている弱点(装甲の薄い箇所)に当てるとダメージ量が上がるが、逆に装甲の厚い箇所に当てた場合や、戦車に対して水平方向に角度がある状態で攻撃した場合は大きく下がる。また、履帯に攻撃すると修復までの間相手を足止めできる。 こちらが履帯に攻撃を受けた場合、一応自動で復旧はするが非常に遅いため、基本はボタン連打で早く修復させることになる。 味方戦車に対しては偵察、防衛、砲撃といった作戦指示を出すことができ、少人数ながらチーム戦として戦略を練りながら戦うことになる。 移動や砲撃を繰り返すごとに「アクティブゲージ」が溜まっていき、満タンになると「車長スキル」と「パンツァーハイ」を使用可能になる(使用した後はまた0から溜まる)。 車長スキルは車長ごと異なる戦闘支援効果をもつ。パンツァーハイでは一定時間自機が無敵になるほか、敵車輌の弱点表示に加え、クイックリロードが自動化される。 ガルパンらしい戦車の挙動の再現として、一定以上の速度を保っている状態だとドリフトすることが可能。 また、ドリフト中は攻撃力が上がるようにもなっていて、ドリフト中の攻撃で倒すと「ドリフト撃破」になり、貰えるポイントも大きくなる。ロックオンした相手をドリフト射撃で倒していくのが基本的な動きの一つになる。 さらに、一部の戦車は劇中でCV33やクルセイダーが行った180度ターン(ナポリターン)も行える。 一般的な戦車ゲームだと、停止した戦車が動き出してから最高速に到達するまでは時間が掛かってしまうが、本作では停止した状態からロケットスタートすることが可能。一瞬で最高速に到達して走り出すことができるほか、急な坂で止まっても登り抜くことができる。 その為、本作の戦車は重戦車も含めて非常にスピーディーに動かせる。「戦車のゲーム」ではなく「戦車道のゲーム」なのだ。 一部の戦車にしかない特徴的な機能も再現している。 M3リーやルノーB1など主砲に加え副砲も持つ戦車は、副砲を撃つことができる。 ポルシェティーガーは、『劇場版』から度々使用しているEPSによる超高速ダッシュを使用可能。一度のリスポーンに付き1回のみ使える、切り札のような存在。 BT-42とT28は履帯を切り離すことができる。加速性能や耐久性が落ちる代わりに最高速度が上昇し、切り離した瞬間に履帯損傷が回復するという特徴がある。ただしBT-42は操作が難しくなるうえ、こちらも一度のリスポーンに付き1回しか使えない。 評価点 あらゆる箇所で再現度が高い 戦車の操作性はもちろんのこと、命中箇所によるダメージ量の差異や装備の破壊まできちんと実装されており、作中の試合にあったような演出をゲームでも楽しめる。 攻略本にしか記載されていないが、各戦車のステータスには非常に多岐に渡る項目のマスクデータが設定されており、作り込みの一端をうかがわせる。 原作に登場する非現実的なシチュエーションや作戦も支援カードで再現できるなど、原作リスペクトの要素は非常に充実している。どのモードも、会話は全てフルボイスになっているのも高評価。 搭乗しているキャラクターは戦車の動きに合わせて慣性が働く様子まで表現。砲撃を受けるとすぐに体を引っ込める。かわいい。 車長の種類も豊富に作られており、劇場版の大学選抜戦に参加したキャラクターのうち、大洗の各チームの車長以外のキャラクターおよびプラウダのニーナとアリーナ以外は全員を車長に設定することが可能。追加要素を加えるとBC自由学園の3名やお銀、そしてまさかの蝶野亜美も車長にできる。 また各種行動や被弾の際には編成したキャラ達のボイスが逐一入る。原作と同じ組み合わせだと車長のボイスに掛け合いをする形で乗員がさらに喋り、劇中のように非常に賑やかになる。 マップもかなりこだわって作られている。さすがに現実から一部を省略してはいるが、アニメに登場しない部分まで実際の街並みを再現した「大洗市街」の作り込みはなかなかのもの。テストドライブで隅々まで走ってみたくなることだろう。 カジュアルな戦車ゲームとしても成立している 味方がCOMの場合を含め、作戦マップによる具体的な行動指示や移動目標の設定、メッセージによるコミュニケーションなどが可能。きちんとチームとして戦うことができる。 前作では接近砲撃が大正義であることや照準操作の煩雑さなどお世辞にも快適とは言えないプレイ環境が問題視されていたが、本作ではこうした問題点は一掃されたと言ってよい。 オンライン対戦では勝敗が決まるまでは何度撃破されても再出撃が可能(ただし殲滅戦はコストが無くなるまで、フラッグ戦ではフラッグ車になった人が撃破されると即座に敗北)な点が、対戦の気軽さを後押ししている。 各戦車や車長の性能に多少の格差こそあれど、個々の戦車に得意不得意が分かれることもあって味方との連携や相手チームとの読み合いと言った戦略性が高いゲーム性になっており、今なお熱中している人々を生み出している。 既存作品の新しい解釈を知れる感想戦モード テレビアニメや『劇場版』は主人公の在籍する県立大洗女子学園を主軸に描いていたが、感想戦モードでは相手側からの後日談やうんちくなどを聞ける。『ガルパン』ファンなら聞いておきたい。 追加要素では、現役の戦車である陸上自衛隊の10式戦車も使用可能になる。 現代の戦車だけあって作中の戦車との性能は比べ物にならず、あらゆる点でチートの一言。重戦車より攻撃力も防御力も高い一方で軽戦車よりも速く走り、自動装填装置が搭載されているためクイックリロードも発生しない。特にPVでも話題になった砲塔の旋回速度は驚愕の一言。 なお、戦車道のレギュレーション違反(*2)であるためオンライン対戦では使用できないのでご安心を。 問題点 ストーリー成分がやや不足 しっかりと背景のストーリーまで作られているのは感想戦モードだけで、他は取ってつけたような前振りしかない。 その感想戦モードも大半は『劇場版』の振り返りなので、『ガルパン』の完全オリジナルストーリーを求める人には物足りなく感じられるかもしれない。 また前作と違い、アニメでのあらすじの概説が非常に簡素であるため、原作を全く知らない人がプレイすると世界観に混乱する可能性がある。 難易度の高いミッション 「山道」というステージでのミッションの難易度が特に高く、苦手な人はここで詰まってしまう可能性もある。 このステージはチェックポイントを通過しながら制限時間内に目標地点到達を目指すという専用ルールとなっている。進むにつれ道が細く険しくなって非常に通行しづらいだけでなく、バランスを崩すとあっさり崖から滑落してしまう。落ちてしまうとその時点でゲームオーバーのため、かなりシビア。 感想戦モードでは「高地頂上からの撤退戦」で登場。原作でカール自走砲からの砲撃から撤退するカチューシャの視点を描いたミッションであり、予告はあるがカールの砲撃が定期的に発生。途中からは敵車輌の追撃も発生する。 エクストラマッチでは大量の敵戦車をかわしていくミッションと、敵車両こそいないが極端にコントロールが難しいローズヒップのクルセイダーによる走破を目指すミッションの2種類が存在。感想戦モードと違い制限時間も厳しいものとなっており、エクストラにふさわしい難易度となっている。 後にアップデートで修正されたが、ミッション開始前の会話がスキップできないためリトライが非常に億劫な仕様ともなっていた。 収集要素が作業的 どのモードも、一通りのプレイを終えてしまえば難易度変化や別モードなどはない。各モードのボリューム自体は一定の水準に達しているが、デカールや乗員といった収集要素の数がミッション数より大幅に多いため、コンプリートを目指す場合は同じシチュエーションを何度もこなさなければならない。 無印版の扱い リリースから1年しか経過していないにもかかわらずSwitchで完全版が発売され、無印版で追加要素を反映するには3,500円の有料DLCが必要になるという顛末はPS4ユーザーから非難の声が大きかった。 「戦車道祭」は「争奪戦モード」の発展型で、他の追加要素はキャラクターモデル等の追加がほとんどのため、DLCの有無で全体のボリュームに大きな差が生じるわけではない。ただ、キャラの個性が重視される作品であるゆえ、プレイヤーキャラが20以上も未実装となると無印版ユーザーから反発が起こるのは当然である。 総評 前作から数年の時を経て、キャラゲー部分でもゲーム部分でも大きく進化。戦略性のある戦車ゲームとしてもそれなりに楽しめる作品となっており、マルチタイトル化に至るなど高く評価された。 発売から6年以上経過した2024年4月現在でも、夜間であればほぼ毎日10人でのオンライン対戦が成立しているのもその証だろう。 先発のPS4版は販売条件の面でやや不遇ではあるが、『劇場版』と『最終章』の幕間の出来事を扱った本作はファンにも十分お勧めできる。
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ライトファンタジー 【らいとふぁんたじー】 ジャンル RPG 対応機種 スーパーファミコン メディア 8MbitROMカートリッジ 発売元 トンキンハウス 開発元 アドバンスコミュニケーション 発売日 1992年7月3日 定価 8,900円 セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ) 判定 クソゲー ポイント 時間がかかりまくる戦闘序盤から殺しにかかってくる敵無駄に多い状態異常カタパルト部隊御一行様クソゲーだが印象に残る不思議なゲーム ライトファンタジーシリーズI / II / 外伝 ニャニャンがニャン 概要 特徴 問題点 戦闘システムの問題 その他の問題点 バカゲー要素 評価点 総評 余談 概要 『ライトファンタジー』という、ライトユーザー向けのようなタイトルを思わせる、初見さん殺しのゲーム。 ほのぼのとしたファンタジーの世界観、「殺さない」というRPGにしては珍しいコンセプト、 町の人でも敵でも話しかければ仲間に誘えるというパーティの自由度、 はけたれいこ氏の可愛いイラストにひかれてプレイすると、間違いなく大変な目に遭う。 特徴 町やフィールドマップは一般的なRPG同様 戦闘はランダムエンカウント方式。地域に関わらず、敵の種類(強さ)はこちらに合わせて上がっていく。 戦闘は初期のウルティマのようなタクティカルバトル形式 シミュレーションゲームのようにマップ内に敵味方のユニットが配置され、その中で移動した上でコマンドバトルのコマンド(攻撃、逃げる、等)を選択する。 行動順はランダムで敵か味方のどちらが先か決まり、それぞれ全員行動行動する事でターン交代。(敵→味方)→(味方→敵)…のように場合によっては2連続行動になる事もある。 ダメージを受けた際には残りHPの割合によって、敵味方共通で「うっひ~」「しぬ~」等の悲鳴ボイスが表示される。 HPが減るごとに表記が変わっていくため、おおよその敵の残りHPを察する事が出来る。 状態異常が多数存在し、専用の回復アイテムも店売りされている。 また、状態異常になると戦闘中及び、フィールドマップのグラフィックが各状態異常専用のグラフィックに変化する。 戦闘は開始時点でマニュアルとオートを選択でき、オートを選ぶと戦闘が終了するまで自動操作が続く。 仲間キャラはイベント加入する固定キャラ(「運命の星」を持つもの)の他、町にいる人やモンスターを勧誘する事が出来る 仲間キャラは神殿で入れ替えが可能で、ここでは名前の変更も可能。(勧誘キャラは「バニー」やモンスター名等の一般名称になっている。) フィールド上のコマンドでは仲間に「そうだん」する事も可能で、キャラ毎にメッセージが用意されている。 主人公及び、イベント加入キャラが死亡するとその時点でゲームオーバーとなる。 戦闘に敗北すると画面が暗転し、「…まだまだ、力不足だったのかもしれない…ああ…目の前がくらくなっていく…」のメッセージの後「GAME OVER」と表示され、タイトル画面に戻される。全滅時に町に戻されたり、コンティニュー可能だったりという救済措置はない。 一度通過したダンジョンの出入り口付近には「ワープの女神」がランダムで発生するようになり、100リル支払うことで出口or入口までワープさせてくれる。 魔法は魔法屋で購入し装備させることで使えるようになる。 一人につき上限は8つ。 戦闘中とイベント中以外でなら「女神の書」でいつでもセーブできる。 フィールドやダンジョン内でもセーブは可能。 本作のキャラデザのはけた氏は、シナリオ等も手掛けている。 その為、事実上の「はけたワールド」が展開されている。 問題点 戦闘システムの問題 本作の問題はおおよそ戦闘のバランスの悪さ、だるさにある。 時間のかかる戦闘 雑魚戦ですら1回の戦闘に時間がかかる 1ターンで移動できる距離が少なめ(一応、移動距離が多いキャラもいるにはいる)で、遠距離攻撃手段を手に入れるまでは最初2~3ターンは移動だけで終わる事も多い。 敵味方ともにしょっちゅう攻撃を外す。魔法さえも一部の魔法を除いて外れまくる。 ある程度進めると敵が最大数の8体で出てくる事も多く、中盤以降は必中の全体攻撃魔法「ゴンゴン」「マンモス」「ケシー」(*1)を使わないと、とてもやってられない。 雑魚戦で毎回命中率の悪いシミュレーションゲームをやっている事を想像すればわかるが、とにかく雑魚戦ですら無駄に時間がかかる。 場合によっては1回の戦闘で何十分もかかる事もザラにある。 オート戦闘はAIがお馬鹿で使い物にならない。後述するバランスの悪さや、こちらに合わせて敵が強くなる仕様も相まって、オート選択は自殺に等しい。 逃走が割と成功しやすいのが一応の救い。 しかもエンカウント率も高い 少し歩いたらすぐ戦闘になってしまうので、その度に上記のかったるい戦闘をやらされる。 さらに、画面切り替えから戦闘画面に入る動作も、かなりもっさりしている。 同じ発売元の『黄昏のオード ‐ODE TO THE SUNSET ERA‐』も鬼エンカウントで知られるため、ある意味で御家芸とも捉えられる。 そして広いマップとお使いゲーが更にこの問題を後押しする マップは全体的に無駄に広い。 最初の城ですら、特に何もないのに無駄に長い通路があったり、移動するだけで面倒。 宿屋のカウンターが店の奥に配置されており、そこまで歩く距離が少し長いため宿泊時に少々不便。 当然ダンジョンも広く、結果的に戦闘も増え、さらに面倒な事になる。 シナリオ終盤に酷いお使いゲーが始まり、ろくなボス戦もなく、ひたすらあっちこっち歩かされる。 シナリオ的にはもう終盤なのだが、その長さからこの展開の始まる前の大ボス戦が中盤とも言える程。 ゲームバランスの問題 攻撃力と防御力のバランスがうまくとれていない。 ハッキリ言ってステータス的には攻撃力の優位性がとても高く、装備品は攻撃力を重視した方が楽に進める。 攻撃力を上げれば結果的に戦闘時間を短縮できる利点があるのもそうだが、防具では魔法ダメージを軽減できない為、やられるまえにやった方がいい。 フィールドでは主人公のレベルで出てくる敵キャラが決まるため、楽な戦闘をさせてもらえることは少ない。 「序盤で敵がいきなり殺しにかかってくる」といわれる理由の一つで、主人公と仲間とのレベル差があると厳しい仕様になってしまっている。 逃走も1戦闘で10回近く失敗するのがザラで、シナリオクリアまでに連続逃走失敗回数が最高で20回超を記録するなどというのもある。 非常に厄介な「運命の星を持つもの」 シナリオ進行上必要なパーティメンバーは「運命の星を持つもの」として扱われ、強制的に加入してくるのだが、全体的にシナリオ進行に必要なだけでレベルも低い足手まといが多く、その為に主力メンバーを外さなければならない方がきつい。しかも場合によっては一人ではなく二人同行する時もある。 PTメンバーは最高5名だが、うち主人公と運命の星を持つもののせいで、実質、自由に使える仲間枠は3枠(運命の星をもつものが2人同行した時は2枠)になってしまっている。 それでいて主人公及び強制加入キャラが死ぬとゲームオーバーになる為、強制加入キャラは実質ゲームオーバーの危険を増やすトラップ同然の事が多い。 その筆頭がダンジョンの最奥で加入する上に、そのダンジョンの雑魚敵に一発で殺されるコタローである。このゲーム、脱出用のアイテムや魔法はないので歩いて連れ出さないといけない。どこでもセーブが出来るのと、後は出るだけなので詰みはしないものの、はっきり言って邪魔でしかない。 因みにコタローの妹のミネアは、能力はそこそこで中盤から仲間になり、イベントでちょくちょく離脱を繰り返すものの、最終的にはラストバトル直前(*2)まで長い間PTにいる為、プレイヤーとしては愛着が湧きやすく批判もほとんどない。 なぜ兄と妹でこうも違うのか。 魔法の燃費が攻撃、回復ともにとてつもなく悪い。 初期からMPが2~30ある為ある程度自由に魔法が使えるのかと思えば、その分消費も重く、初級魔法でもやはり2~30消費するため、初期は一回しか魔法が使えない。 とはいえ、MPを回復するアイテムも豊富にある。下準備さえしっかりすればさほど困らなくなる。 一応、ダンジョンで明かりをつける「ライト」等はある程度消費が抑えられている。 状態異常が 11種類 と異様に多過ぎる。 その内訳は火傷・感電・毒・氷・岩・小人・食べ物・魅了・混乱・驚き・眠り。課されるペナルティも、「自然治療無しの行動不能」「行動不能になり、自然治癒されるが確率は非常に低い」等、致命的なものが多い。なお、状態異常の重複はせず、何らかの状態異常にかかったところに別の状態異常にかかると、状態異常が上書きされる。 回復するアイテムも各状態異常ごとに別々にあるのでいちいち用意するのも大変。治療用魔法の消費MPも数十くらい費やす。宿屋に泊まっても状態異常は治療されず、それでいて万能薬みたいな便利なアイテムや魔法は存在しない。状態異常を防ぐor状態異常耐性を上昇させる装備もない。300リル払って全員の状態異常を治療する「おしながき」というアイテムもあるが、肝心の戦闘中に使えないのが難点。 「火傷」と「感電」と「毒」状態は、移動してから行動を起こそうとした瞬間にダメージを喰らう。ダメージはそれぞれ30、20、10。無論、そのダメージでも死に至る為、瀕死状態でこれらのステータス異常にかかってしまったら、まさしく『死、あるのみ』である。 上記のように本作の状態異常はどれも非常に強力。敵にかけてしまえばかなり有利になる面もあるが、多くの戦闘ではその前に間接攻撃武器やゴンゴンなどで敵を一掃したほうが遥かに早いので、プレイヤー側としてはあまり恩恵は得られないのが実情か。 状態異常の種類が豊富な割には持ち物制限がきつい。 アイテムの所持方法がいわゆるDQ形式で一つ一つ表示する形式になっている為、各種状態異常対策のアイテムを複数持っておこうと思ったらそれだけでアイテム欄を圧迫するし、そうなるとMP回復アイテムも持てなくなる。 さらに物語を進めるごとに重要アイテムが持物欄を圧迫していく。イベントを終了して不要になった重要アイテムでも預り所に預けられない。 武器も多数ある割にはバランスはとれていない。また、お店では装備後の能力変化は見れず、実際に買ってみて装備しないと強さが分からない。 剣やら弓やらチェーンソーやらいろいろな武器があるが、バトルシステムの関係で間接攻撃可能な弓矢系の武器が圧倒的に有用性が高い。攻撃力が足りないキャラの場合はこの限りではないが。 物語の後半で 攻撃+170、射程8 という、他の殆どの武器が霞んで見えるほどのチート性能を持つ「とうせきき」が登場するため武器を選ぶ余地が無くなる。 しかもこの武器はほとんどの仲間が装備できるため、物語後半はカタパルト部隊になること請け合いである。 ラスボス戦は四方を溶岩に囲まれていて近寄れない為、射程1の武器は完全に役立たずになる。 一応、主人公に関してはその点は考慮されており、イベント入手武器「大地の剣」は遠距離攻撃もできるようになっている。 裏を返せば ラスボスもこちらを殴れない という仕様になっている。上述した防具の仕様と相まって、防御力がますます意味を無くしてしまう事に。 仲間の種族のうち、ドラゴン族だけHPとMPの伸びが異常に良い。 レベルアップによる全ステータスの上がり方が全く死角のない急成長率。レベルが高くなってくるとまず死ななくなる。ファンタジーでドラゴンが強いのは定番であるが…。 一応、グリーンドラゴン以外はステータス異常に弱いという弱点はある。 また、ドラゴン族は上記の「とうせきき」を装備できないのも大幅な痛手。間接攻撃武器は「ムチ (攻撃+80、射程2) 」が最強だが、ラスボス戦では射程3以上ないと攻撃が届かない為、物理攻撃で参戦するなら 「ふきや(攻撃+10、射程3)」 まで大幅にグレードが落ちるのも欠点か。非常に高いHPやMPを活かして、盾役や魔法担当に回すのも手。 行動順の問題 前述のとおり、全員がランダムに行動するのを1ターンとしたターン制だが、そのせいで複数の敵が連続で攻撃してきたり、ターンを挟んで同じ敵が連続行動してきたり(前ターン最終、次ターン初手を引いた場合)といった事がある。ランダムな為に戦略的には読みづらくなっており、行動順のせいで壊滅する事もままある。 その他の問題点 シナリオが短い ストーリーは王道RPGを思わせるのだが、いかんせん展開が短すぎる。 戦闘システムとマップの広さもあってプレイ時間は結構な長さになりやすいが、その内、シナリオに触れている時間は非常に少ない。 ラスボス撃破後にもセーブできてしまう 当然戦闘は起きない為、後はEDを見るだけのデータになってしまう。 もっとも、あの地獄のような戦闘をクリア後にまでまたやりたいプレイヤーがいるかと言われると、先ず『否』だろう。このゲームに関してはこれでよかったのかもしれない。 いわゆるポケモンフラッシュを多用しており、目が痛くなる。 ボスの耐性設定の甘さ 条件を満たして道を開けてもらう「ばんにん」に条件を満たす前に話しかけると、選択肢次第では戦闘になり、逃げる事も出来ず強力なステータスで殺される負けバトルを仕掛けられる事になるのだが、非常に強力なステータスをしていながら状態異常耐性は甘い。 状態異常が通ってしまうと「魔法以外まともにダメージが通らず、通常攻撃はミスか1ダメージ」という状況で逃げるのも不可能な為、リセットするか長時間をかけてHP9999を削るしかなくなる。負けバトルにするのなら状態異常耐性はしっかりしてほしかったところ。ちなみに勝っても戦闘が終わるだけで報酬も0でイベントもない。 その他細かな問題点 「呪いの剣」などの一部仲間は顔グラフィックが完成しないままマスターアップされたようで、ステータス画面を見ると、顔グラのところには黒背景に「NOW PRINTING」と白文字で書かれたものとなっており、未完成であることがありありと出ている。 微妙に悪いキーレスポンス。 酒場のミニゲームが1種類しかないのでちょっと寂しい。 ちなみにこのミニゲーム、 100%正解にする裏技がある。 ゲームバランスに影響するバグがある。 本来は敵の出現を一定歩数封じるアイテムである「女神のお守り」を使った後、効果が切れないうちにセーブ及びロードすると、それ以降敵が出なくなる。別のデータで「女神のお守り」を使って効果が切れたのを見てからロードしなおせば直る。 「ねこまんま」を食べさせるとラックの値が上がる(後半はこのドーピングをしないと難しい)のだが、値が255の状態でレベルアップすると0になってしまうオーバーフローバグがある。 バカゲー要素 戦闘中に敵味方がダメージを受けた時に発するセリフが、どれも脱力感が漂っている。 「敵含んだ全キャラ共通」のためたとえ戦闘前に威厳を見せつけていたボスやラスボスでさえも「もうダメ」「しぬ~」とか言う為、非常にシュールである。 状態異常によるキャラアイコン変更でツッコミどころのある画面になってしまいやすい。 共通のグラフィックに変更されるため、複数のキャラが同じ状態異常にかかると見た目では誰が誰だかわからなくなってしまう。 状態異常アイコンのままイベントが進む場合もあり、キャラの見た目が大きく変わっているせいで非常にシュール。 殆どの種族が、特定の状態異常に対して強耐性こそあれど、完全耐性を持たない。 雪だるまなのに氷の状態異常になったり、 見た目からして炎に包まれている火の鳥や火達磨ですら火傷の状態異常になって燃え盛ってダメージを喰らうさま は最早ギャグ。 キャラごとに設定された「とくちょう」 ステータスで見れるテキスト表示のみで特に意味のあるものではないが、性格等が記載されていて無駄に凝っている。 中には「マブい(美しい)」なんていう、当時ですら既に死語となっている物もある。 一部の女性向けとされる装備品が、一部の男性キャラが装備できる。 「ボディコンふく」や「マニキュア」など。 厳密にいうと、このゲームでは装備グループを種族で管理しており、前述したミネアとコタローは「闇人」という種族として扱われている。それゆえにこの2人の装備グループが共通のものとなってしまっている為、男性キャラのコタローが、ミネアが装備できる女性向け装備を出来てしまう…という仕組みである。 一部にはメタネタも。 フィールドでいきなりBGMが変わった際に、「何だこの戦とうのきょくは?」とメタなセリフが出てくる。 『ファイナルファンタジー』シリーズのパロディネタ 悪く言えばパクリだが、発売当時日本国内ではインターネット自体存在しなかったため、あまり問題化しなかった。 評価点 シナリオ・演出面 短いながらもシナリオは凝っており、割と出来は良い。 物語の途中で現れるセリューというキャラは、最初こそ所謂『イケメンなキザ王子』といった感じのキャラだが、主人公の行動に胸をうたれて改心し、主人公を認めた旨の手紙を残して去っていくという流れからか、女性ファンがとても多かったとか。また、終盤になると、とある場所で仲間にできる。専用魔法を所持しており、戦力としても十二分に起用できる(*3)。 最終的に主人公に倒され諭される事にはなるが、ラスボスの行動原理も絶対悪ではない。 イベントでは多数の一枚絵(一部では口パクがある)があったりと、演出面では結構頑張っている。絵のクオリティも92年発売のゲームにしては出来がいい。 ゲーム開始直後のイベントで、ヒロインを奪われてしょげている主人公がベッドで寝ると、闇の勢力にさらわれたヒロインがバストアップのグラフィックつきでテレパシーで主人公を励ましてくれる(しかも口パクあり)。これにより、主人公とヒロインが最初から特別な仲だという事がプレイヤーに伝わってくる。 BGMは名曲が多い。 中でも通常戦闘曲は戦闘システムの関係でインパクトを残すものとなっている。 システム面 仲間にできるキャラの自由度。 多彩な攻撃を持つモンスターはもちろん、町に住んでいる人まで仲間に出来てしまう。 村人たちのステータスや状態異常耐性はモンスターよりも低いものの、成長はしっかりしているし強力な魔法を覚えさせれば心強い味方となるため、自由度が損なわれたりはしない。 相談によるメッセージで彩りも加えられているため、より愛着が湧く。なんと状態異常時のメッセージまで用意されている。 一方で、相談メッセージの使いまわしは多く、折角「とくちょう」の項目があるのに、それを顧みないテキストが選択されることも珍しくない。 ただその仲間たちが登録される「登録所」は、たった8キャラ分しか登録できないためコレクションといった要素が出来ないのが悲しい。 「魔法」が購入し装備する形式である為、自由度が割と高い。 8つまでという制限はあるが、状態異常の回復や攻撃の為、仲間にいかに振り分けるかがポイントになる。 一度装備した魔法を「売る」事もできる為、不要になった魔法を売って、空いた枠に新たな魔法を入れる事も可能。 なお、高値で売れる魔法を持つモンスターを仲間にして魔法を売ってお金にしてそのモンスターと別れた後に、また同じモンスターを仲間にしてお金を稼ぐという金稼ぎも可能。 どこでもセーブできる為、かろうじてゲームバランスはとれている。 時間がかかる上に、メインキャラが死ねば即ゲームオーバーの本作でこれがなかったら、今以上に地獄になっていただろう。 総評 独自システムやシナリオ、一枚絵による演出等、良いところもしっかりあるのだが、移動速度の遅さとMAPの広さ、RPGの肝である戦闘システムとエンカウントの酷さと状態異常の鬼畜さが全てをぶち壊してしまっている為、SFC屈指のクソゲー・マゾゲーとして名を轟かせてしまった。 戦闘以外のシステムは割ときっちり仕上がっているし、スタッフの愛を感じる場面も見受けられるので、戦闘システムなどの練りこみさえもっとしっかりしていれば、良作にもなりえたかもしれない。 独特かつ唯一無二な雰囲気や世界観等から何だかんだ強い印象は残りやすく、戦闘は酷いが嫌いになれない・クソゲーだけど気に入っているというプレイヤーもいるゲームではある。 余談 ゲームバランスについて 本作は隠しコマンドによる隠しメニューで移動速度を早くしたり、裏技で楽に金稼ぎ出来たりする。本作のゲームバランスの悪さもあり、これらの裏技前提でデバッグしてバランス調整したのでは?と言われている。 また、バグ技を使用すると、エンカウントなしにする事も出来る。これらを駆使してちょうどいいバランスとまで言われる事も。